中日ドラゴンズというチームは、メジャーリーガーの起用で先駆的な役割を果たしたが、KBO選手の導入でも他チームの先駆けとなった。1996年の宣銅烈に続いて野手として最初にNPBの試合に出たのが、リー・ジョンボムだった。
Lee Jong Beom20120406




KBOでの6年のキャリアを経ての入団だったが、実力はピークに達していた。前年は1番打者でありながら30本塁打を打ち、64盗塁。敬遠四球は30。手におえない活躍だった。

それだけにNPBでの1年目の成績は物足りなかった。また遊撃手としても失策が多かった。死球によって右ひじを骨折し、長期離脱したが、これによって内角に踏み込めなくなってしまった。

KBO出身の野手はほぼすべて、NPBの一線級投手の内角攻めに苦しむ。今年の李大浩もあれだけ懐が深いのに、なぜかホームベース寄りに立って窮屈そうにバットを振っているが、精度の高い内角球への対応ができないうちにスランプに陥るのだ。

はじめての野手であり、期待も高く、プライドも高かったために最後はシーズン途中で韓国に帰ってしまった。
ただ、2000年の成績は、NPBの野球への適応が見て取れる。この年には外野手に転向していた。日本人ならここから円熟味を増すことも期待できたはずだ。

2001年にKBOに帰ってからなおも11シーズン野球を続けた。

2006年のWBCでは7試合25打数10安打と活躍した。このときは盗塁は0、二塁打6本。

晩年は脚力、長打力は目に見えて落ちて行ったが、浮沈を繰り返しながら40歳まで現役。見事な野球人生だった。

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