「PLAYBALL! 埼玉」の会場である和光市樹上公園には「球活」のメンバーも来ていた。
親子で体験する野球の楽しさ 「PLAYBALL! 埼玉」第1回イベントが開催

「一般社団法人 野球・ソフトボール活性化委員会」)のメンバー、硬式野球、軟式野球、ソフトボール等のベースボール型スポーツを盛り上げるために集結した21社の社員だ。
代表理事の久保田憲史氏は、美津濃の執行役員、ダイヤモンドスポーツ事業部長だ。いわば、野球用具業界のトップが、関西から埼玉の100人余りの親子イベントに駆けつけているのだ。
SSKやゼットなど、トップメーカーの幹部も来ている。それだけ「野球離れ」は危機的なのだ。
久保田氏は
「小さなことからでも、動いていかないと大変なことになる」
と言った。
私が「こういう取り組みは、いろんなところで始まっていますが、横の連携がないんですよね」
というと
「そうなんです。それが問題なんですよね」
と即座に帰ってきた。結局、野球界は同じ危機に直面しながら一枚岩になれないのが最大の問題だ。
「球活」の取り組みも、今後追いかけていく。

プログラムは後半、ゲーム形式の体験に移行する。
攻撃側はティーのボールを打ってダイヤモンドを走る。ボールを抑え込むまでに4つの塁を踏めば4点が入る。最近は、打ったバットを放り投げて人に投げる事故が起こっているので、打ってからバットを置くと1点加点される。大人の男性は利き腕と逆の打席に立つ。女性はそのまま。
単純なゲームだが大人も子供も盛り上がった。

2時間のプログラム。周囲にはサッカーの練習をする親子連れの姿もあったが、見ていたあるお父さんは「あれやりたいな」と言った。
子供も大人も笑顔だったが、問題はここからだ。
家へ帰ってどこかで、同じような遊びができれば、この日の熱気をつなげることはできるだろう。
しかし、そうでなければ「楽しい思い出の1日」に終わってしまう。
ポイントは、柔らかなボールを打つボールゲームを、公園や空き地、放課後の校庭で認可するかどうかだろう。自治体や自治会、学校に働きかけて、こうした遊びができるようにしなければならない。
学校の授業でもボールゲームを導入しようとしているが、授業は「面白さ」を目指さない。教師の多くも「野球は面白い」という認識はないはずだ。野球の魅力が伝わるかどうか、疑問だ。
それよりも子供の自発的な「あれ、やろう!」の受け皿づくりが大事だ。
今のご時世では、子供だけでボールゲームをするのは治安上も難しい。このイベントの西武ライオンズの担当者、市川徹さんは「見守る大人の養成も必要」と言った。
間違っても「挨拶」「規律」「上下関係」などを強調する石頭はいらない。管理者ではなく、一緒になって遊ぶような感覚の大人の存在が必要だ。
最近、いろんな地域で「野球遊び」イベントを見ているが、西武のイベントは一番丁寧で、魅力的だった。
そういうノウハウを共有することも必要だ。この話題、適宜追いかけていく。


衣笠祥雄、全本塁打一覧(前編・1965~1974)|本塁打大全
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
好評発売中!
コメント
コメント一覧
ティー打撃でキレイで鋭いスイングをしてた小学校低学年の男の子が印象的で、もし1日の指導であれだけうまくなったなら本当にスゴいと思いました。
野球界は今回のような活動を全国でプロアマも協力してやってかないと他競技に遅れをとりそうです。
その話を今日は、さる球団のスカウト氏としていたのですが、なっかなか難しいようで。とほほ!
難しいのはプロアマの壁?それとも予算的なこと?
予算ではないですね。組織の問題です。
組織の問題って、野球界の色んな団体がまとまらないってことですね。
野球用品メーカー幹部が訪れていた点についてコメントします。
野球人口減少を最も恐れている組織は野球用品メーカーでしょう。
競技人口減少がそのまま野球用品売上減少につながるからです。
中体連部員数がこの5年で34%も減少しています。おそらく軟式球、軟式用グラブ、軟式用バットの売上が30%程度落ちているはずです。
とても看過できないでしょう。
逆に野球興行主たるNPBは危機感を持ちにくいのでしょう。
野球未経験者でも観客にはなれますから、興業収入は維持できる可能性があります。可能性だけですが。
社会人野球・高校野球は、理論上、観客0でも成立しますから、ますます危機感を持てません。
地域の少年野球チームや協会が猛反発して開催中止に追い込まれたのを思い出しました。
無料でやるのはけしからんとか、サッカークラブが野球クリニックをやるのはけしからんとか、そんな理由で。
彼が動いてくれたら、何か変わる気がする。