週末のソフトバンク、広島の優勝についていくつか原稿を書く中で感じたのは、この2球団は当面、覇権を狙う位置にいるだろうなということだ。当たり前の感想ではあるが。


もちろん両リーグともに他にも強いチームはいるから、連覇、3連覇が確実とまでは言えない。しかしソフトバンク、広島ともに今後数年は優勝争いに加わる戦力を有するのは確実だ。

2チームともに主力選手が若いのが最大の要因だ。
ソフトバンクでいえば、投では武田翔太、千賀滉大、石川柊太、岩嵜翔、森唯斗、打では柳田悠岐、中村晃、上林誠知、今宮健太、甲斐拓弥、広島なら投は野村裕輔、薮田和樹、岡田明丈、大瀬良大地、今村猛、中崎翔太、打は田中広輔、菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也、安倍友裕、西川龍馬、バティスタ、みんな20代、今が全盛期の始まりか、これから全盛期を迎えようという選手ばかり、そしてみんな生え抜きだ。

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もちろん、けがや不振などで離脱する選手もいるだろうが、こうした選手は今後も数字を挙げる可能性が高い。
ソフトバンクには和田毅、松田宣浩、内川聖一、広島には新井貴浩、石原慶幸などのベテラン選手も健在だが、彼らの後を襲う若手は出てきている。戦いながら若返りを進めることが可能だ。
両チームはこういう新陳代謝流れを作ったことで、安定的に戦力を維持することができる。
すべては「育成」の2文字に帰することができるだろう。ドラフトで的確に人材を獲得し、彼らを育成し、適宜チャンスを与えていく。その鑑定眼と育成手腕、タイミングを過たない起用法は称賛に値する。

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その対極にいるのは、いうまでもなく巨人だ。他球団やMLBからピークに達した選手をピックアップして中軸に据える。陽岱鋼、村田修一、マギー、杉内俊哉、大竹寛、クルーズ、彼らは入団時にすでに30歳前後だ。数年は活躍するが、すぐに下り坂になる。代わりの選手が必要になる。しかし、チャンスを与えていなかったために若手は育っていない。
そのために、また他球団のFA選手をあさることになる。コストパフォーマンスは悪く、しかも長期間の構想を描くことができない。

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阪神も最近は同様の補強をしてきた。糸井嘉男、福留孝介、西岡剛、金本監督になって若手を起用するようになったが、わずか2年のことであり、成果は十分には上がっていない。
この2球団は「補強はFAでやればいい」という認識があるためか、ドラフトでの指名方針も明確ではなく、指名した選手が活躍する確率もソフトバンクや広島よりも低い。

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昔は中日にもそういう傾向があったが、今、こういう補強をしているのは巨人、阪神の2球団だけだ。
この2チームは年間300万人という屈指の観客動員を誇る。その財力があるから、こういう贅沢ができるのだろうが、そのためになかなか体質を変えることができない。強いチームを永続的に作ることができない。

圧倒的な資金力のあるソフトバンクは内川聖一、松坂大輔、デスパイネ、昔の李大浩のように必要とあらば他球団から主力級を抜くこともある。その選手には当たりはずれはあるが、FAなど「よそから持ってくる」補強だけでチームを強くしようという発想はない。あくまで「補助」だ。

かつて、空前の9連覇をした巨人は、ONをはじめレギュラーの野手陣、投手陣はほとんどが生え抜きだった。
金田正一や吉田勝豊、田中久寿男など他球団の主力を獲得したが、彼らはあくまで補助戦力だった。レギュラー選手で移籍してきた選手は柳田くらいしかいない。
若い生え抜きを主軸に置いたから、ダイナスティを築き上げることができたのだ。

しみじみ思うのは「若さは金では買えない」ということだ。FA移籍はストーブリーグの華ではあるし、巨大な年俸で選手が移籍するのはプロ野球にとって必ずしも悪いことではない。むしろ年俸が高上がりした選手を引き取ってもらえる球団は助かっているかもしれない。

しかし、こういう実績ができる中で、巨人、阪神はいつまでこういうことを続けるのか、と思わないではない。



夢の裏バットマンレース(後半戦)


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