少し前だが、スポニチにこんな記事が載った。
「推定」にモヤモヤ…透明性ある野球界にするため全選手の年俸公開を
スポーツ新聞は知的レベルではすでに一般社会より下ではないかと思うが、それが如実に表れた記事だ。この記者は「推定年俸はやめて年俸をオープンにしよう」と言っている。
オフの契約更改は、プロ野球の大きな話題ではある。スポーツ紙はこの時期、この話題で食っていると言っても過言ではない。
しかし、読者にしてみれば、基本的にどうでもいい話である。スポーツ紙の記者は、シャカリキになって本当の年俸を明らかにしようと頑張っているようだが「推定」でも別に構わない。
他人の財布の話でもあるし、桁が大きくて現実感に乏しいし、そもそも「野球の話」ではない。
その選手の端的な評価基準ではあるが、読者にとってそれほど重要ではないのだ。

そもそもプロスポーツの年俸、報酬の話は、リーグ、機構が意図的にリークするものだ。
スター選手が高額年俸をもらっていることは、そのプロスポーツの繁栄ぶりを象徴しているし、スター選手のステイタスも高まる。
1920年代、ベーブ・ルースが時の大統領より高収入を得ていたことは、アメリカ中の人が知ることとなり、MLB、ルースの名声は高まった。
いわば「年俸報道」は、そのプロスポーツの「ステイタス」の傍証であることに意味があるのだ。
だからプロスポーツでも、高額の報酬を得ることができないジャンルは年俸を公表しない。日本ではJリーグと大相撲、プロゴルフなどは年俸に関する報道はあるが、Bリーグや女子プロ野球などは報道されない。
一般人が驚く程の報酬を得ていない場合は、かえってその報道がマイナスに働くこともあるのだ。
もちろん、数百万円の年俸は、ニュースバリューとしても乏しい。
しかし、年俸の報道には、もう一つ、目を光らせているところがある。税務署だ。高額年俸の報道があった選手のもとには、実際に税務署員が訪問することもあるという。
だから、選手や球団は年俸を公式には明らかにしない。メディアが「推定」した数字しか表には出ない。
「推定」とは、景気の良い年俸の数字を公表したいが、公表すれば税務署の目が怖い野球界が、メディアとの間に取り結んだ了解事項だ。
実際には大部分の選手が「推定」よりもかなり高額の契約を結んでいるとされる。大昔の話で恐縮だが、佐々木信也さんが慶應から高橋ユニオンズに入団した時の契約金は350万円だったとされるが、実際には1000万円だったとご本人から聞いたことがある。
「推定年俸」は、実態と関係のない「選手評価の目安」だと解釈すべきだ。
それよりも気になるのはNPB「推定年俸」のトップが5億円前後で全く動かないことだ。MLBの年俸が10億円を超え、20億円を超え、今では複数年で100億、150億もふつうになっている中で、NPBは清原和博の時代(最高年俸4.5億円推定)からほとんど変わっていない。
NPBのビジネスがいかに伸び悩んでいるかの傍証だと思うが、スポーツ紙の記者にそれに言及せよといっても無駄なのだろう。

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オフの契約更改は、プロ野球の大きな話題ではある。スポーツ紙はこの時期、この話題で食っていると言っても過言ではない。
しかし、読者にしてみれば、基本的にどうでもいい話である。スポーツ紙の記者は、シャカリキになって本当の年俸を明らかにしようと頑張っているようだが「推定」でも別に構わない。
他人の財布の話でもあるし、桁が大きくて現実感に乏しいし、そもそも「野球の話」ではない。
その選手の端的な評価基準ではあるが、読者にとってそれほど重要ではないのだ。

そもそもプロスポーツの年俸、報酬の話は、リーグ、機構が意図的にリークするものだ。
スター選手が高額年俸をもらっていることは、そのプロスポーツの繁栄ぶりを象徴しているし、スター選手のステイタスも高まる。
1920年代、ベーブ・ルースが時の大統領より高収入を得ていたことは、アメリカ中の人が知ることとなり、MLB、ルースの名声は高まった。
いわば「年俸報道」は、そのプロスポーツの「ステイタス」の傍証であることに意味があるのだ。
だからプロスポーツでも、高額の報酬を得ることができないジャンルは年俸を公表しない。日本ではJリーグと大相撲、プロゴルフなどは年俸に関する報道はあるが、Bリーグや女子プロ野球などは報道されない。
一般人が驚く程の報酬を得ていない場合は、かえってその報道がマイナスに働くこともあるのだ。
もちろん、数百万円の年俸は、ニュースバリューとしても乏しい。
しかし、年俸の報道には、もう一つ、目を光らせているところがある。税務署だ。高額年俸の報道があった選手のもとには、実際に税務署員が訪問することもあるという。
だから、選手や球団は年俸を公式には明らかにしない。メディアが「推定」した数字しか表には出ない。
「推定」とは、景気の良い年俸の数字を公表したいが、公表すれば税務署の目が怖い野球界が、メディアとの間に取り結んだ了解事項だ。
実際には大部分の選手が「推定」よりもかなり高額の契約を結んでいるとされる。大昔の話で恐縮だが、佐々木信也さんが慶應から高橋ユニオンズに入団した時の契約金は350万円だったとされるが、実際には1000万円だったとご本人から聞いたことがある。
「推定年俸」は、実態と関係のない「選手評価の目安」だと解釈すべきだ。
それよりも気になるのはNPB「推定年俸」のトップが5億円前後で全く動かないことだ。MLBの年俸が10億円を超え、20億円を超え、今では複数年で100億、150億もふつうになっている中で、NPBは清原和博の時代(最高年俸4.5億円推定)からほとんど変わっていない。
NPBのビジネスがいかに伸び悩んでいるかの傍証だと思うが、スポーツ紙の記者にそれに言及せよといっても無駄なのだろう。

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コメント
コメント一覧
ファンの目線で言えば、(複数年契約の場合は)契約年数は気になるところです。ですが正確な年俸というのは確かに必要不可欠ではないですね。一応FAのランクがわかればいいだろうというレベルです。
それよりも球団に文句を言うならば、Yahoo!のコメント欄にもあるように、まず球団の収支をきちんとした形で公開せよと言うべきでしょうね。せめてJリーグ並みの情報開示は必須でしょう。
いずれにせよ年棒や契約金なんて話はブラックボックスだし、それでいいと思います。
野球ファンの中には「野球選手はこんなに貰ってるのに他のスポーツは(笑)」って言ったりしてますけど他人のサイフが多かれ少なかれどうでもいいと思いますけどね。
イギリスに2年間住んでましたけど一々年棒でニュースなんてやりませんでした。
契約更改や移籍のニュースは凄かったけど。
日本はホント独特の世界でやってますね。
バブルの頃は世界一の賞金額だったこともありましたが、タイガーウッズの出現で米PGAにあっという間に追い越されました。
日本のツアーの最高額はダンロップフェニックスの優勝賞金4000万円ですが、米ツアー、例えばマスターズでは2億円を超えようかと言う勢いですから5倍に差が開きましたね。
・単純に球団が経済面でそれ以上出せない
・そのクラスの選手はMLBへ行ってしまう
・年俸5億になった途端成績が落ちる(阿部慎之助など)
など色々理由がありそうですけどね。
松井秀喜やダルビッシュが日本に残ってたら10億円選手になってた気もしますが。
下世話ですけどそういうの見たかったなぁ
って思うくらい年俸高等してると思うけどなあ九州の金満チームとか。
赤字経営の球団がほとんどの中今の年俸水準が
適正年俸なのかどうか。
え?赤字球団がほとんどなんですか?
それはそうと、のべつまくなしに情報公開を公開を求めるようなマスコミには閉口します。お前たちこそ、もっと情報公開せよと。社会の公器なんだから、給料も公開せいと。
日本政府も企業も、情報公開の程度は、先進国最低レベルです。恥ずかしい。
メディアが、それを差し置いて情報公開すべき根拠なんてない。
民主主義の基本をご存じないのかな?アメリカから来ているのに。
私が今回問題にしているのは年俸の話です。政府云々は問題にしていません。
その日本語能力でよく務まるなと思います。みなまで申しませんが。
例えば、プロ野球球団を保有してる親会社の中に、リース会社もあります。リース物件の賃借をする際に、リース会社がリース物件をいくらで強いれたかなんて、絶対に教えてくれない。貸手の購入価額は通常見積りで行う。
ある程度正直に教えなきゃいけないのは、税務当局に対してだけだったりします。
その後ろにあるお考えが透けて見えたもので。お腹立ちのようですが、別にコメントしていただかなくてもいいですよ。
プロ野球は経営状態をステークホルダーの一員たるファンに公開すべきでしょう。Jリーグではそうしていますし。
別に腹を立ててもいませんが、痛くもない腹を探られる不愉快さを伝えたいと思ったまでです。
そうすれば、球団やNPB、野球界をわが事として捉えてくれるファンも増えると思うんですがね。
お返事、ありがとうございます。
そうですね、財務諸表の公開は絶対に必要だと思います。ただし個別の選手の年俸の内訳まで出す必要はないと思いますが。
そして、観客動員収入・グッズ収入、人件費(選手の年俸、その他のスタッフの給与、そして役員報酬)、球場使用料、遠征費、スカウト費用、広告宣伝費、保有している資産、運転資金の源泉・・・(ある程度費目の共通性を持たせて、チーム間の比較可能性を高めてほしいと思います。)
どこでどれだけ儲けて、どれくらい払っているのか、さっぱり分からないブラックBOXですからね。
本当に、いつかまた経営破綻するチームが出てくるかもしれないというのに。