マイケル・ルイス『マネー・ボール』
同じ本を2回紹介するのは気が引けるが、面白いものは面白い。映画の公開の前に、もう一度読んでいる次第。



『マネー・ボール』を最初に読んだのは2004年だと記憶しているが、この頃よりも今読むほうが面白いのだ。なぜか?
この本はノン・フィクションだから登場人物はすべて実在だ。本は2002年のドラフトシーンが中心になっているが、2004年時点では2002年のドラフト選出選手は、ほとんどMLBに上がってきていない。ビリー・ビーンや他球団のGMの選択が正しかったかどうか、わからないのだ。
しかし、2011年の今では、2002年ドラフトの勝敗は鮮やかに決している。Baseball Referenceのこのページを見ながらこの本を読むと面白さが倍加する。
http://www.baseball-reference.com/draft/?query_type=year_round&year_ID=2002&draft_round=1&draft_type=junreg&
ビリー・ビーンの卓見が生きて活躍している選手もいるが、デブの捕手、ジェレミー・ブラウンをはじめ、すでに結果が出てしまった選手も多い。読む時期によって、味わいが変わってくる。不思議な本だと思う。選手名の読みが、今通用しているのとかなり違うので、(例スコット・カズマー=スコット・カズミア)ややとまどうが、それも一興だ。
この本は、たくさんオタクが出てくるが、映画ではどんな風に描いているのだろう。アメリカ映画では、オタクは眼鏡でおどおどして、滑稽なステレオタイプに描かれることが多いが、ここをきっちりと描写して、セイバー・メトリクスの意味を理解させないと、ビリー・ビーンが単純なヒーローみたいになってしまうだろう。
そろそろCMが流れているが、ブラッド・ピットよりビリー・ビーン本人の方が格好いいように思える。野球映画の場合、どうしても気になるのがプレーのシーン。これが締まらないと、野球ファンとしては身が入らない。CMでちらっと出た野球シーンでは、球が山なりだったのが、やや気がかりだ。封切りの日に見に行こうと思う。

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