今、書店には金足農を特集したムックが並んでいる。丸ごと一冊、県立の農業高校を取り上げた本が出るなど、前代未聞ではないか。


先日、DeNAの畠山準さんにお目にかかったが、畠山さんのもとにも甲子園の取材が相次いでいたという。確かに甲子園は一大ブームになっていた。

その中心にいたはずの金足農は、秋季県大会で敗北した。
サンスポ
今夏の全国高校野球選手権大会で準優勝した金足農が18日、秋季秋田大会準々決勝(さきがけ八橋)で横手に3-5で敗戦。来春のセンバツ出場が絶望的となった。

まだ甲子園が閉幕して1か月足らずで、早くも来春の甲子園の実質的な予選が行われている。そのせわしなさもどうかと思うが、金足農はあっけなく負けてしまった。

これは当然の帰結だ。昨日の試合には、甲子園に出場した選手は1人も出場していなかったのだ。金足農は吉田輝星が地方大会の初戦から決勝戦の途中まで、1人で投げぬいたが、他のポジションも8人だけが試合に出場し続けた。全員が3年生だった。2年生たちは甲子園でこんなことをしていただけだ。

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つまり、秋季秋田大会に出ていた選手は、一人も甲子園でプレーしていない。それどころか、7月からほぼ2か月間、公式戦に出ていなかったのだ。スクイズを2回失敗したのも、実戦の経験不足があったからではないか。

金足農は「9人野球」で大阪桐蔭にぶつかって玉砕したが、今、戦っている選手は、この経験を共有していないのだ。

金足農の中泉監督は、次代に引き継ぐことなど何も考えてなかったのだろう。この監督を「名将」と呼ぶのは、少し待ったほうがいいだろう。

金足農の文化祭は、来場者が殺到する恐れがあるために一般公開を中止したという。軽薄なブームはまだ続いているのだ。
その矢先に、来春の甲子園の可能性が途絶えたことは、良かったのではないかと思う。

大戦力の私学大阪桐蔭にぶつかったことで名前を挙げた金足農だが、乏しい戦力をすべて使い果たしたとも言えない。選手を固定して、行けるところまで行っただけだ。何も考えていなかったということだ。「育てる」ことを忘れた、こういうチームは、甲子園に出なくていいと思う。

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こーじ苑さんのブログ、久々に紹介する。

金足農に欠けていたもの


1965年鵜狩道旺、全登板成績【6年ぶり2度目の2ケタ勝利】

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