「球数制限」の導入の議論になると、必ず持ち上がるのは「導入すると戦力格差が広がる」という反論だ。
多くの人が指摘しているように、「球数制限」をすると、選手数が少ない弱小チームは、複数の投手を揃えることができないので、不利になる。

今夏、一人で1517球もなげた金足農の吉田輝星のような例は「球数制限」を導入すれば、消えてしまう。金足農は恐らく甲子園にも出場できなかっただろう。

大阪桐蔭はすでに今夏の甲子園から3人の投手を投入したが、潤沢な資金があり多くの選手を抱えることができる私学は「球数制限」をしても困らないが、公立高校はさらに不利になるという理屈だ。

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この議論は「本末転倒」である。「高校球児の健康を守る」ことよりも「学校の戦力均衡」の方を優先しているからだ。
高校野球への参加校数を維持したいという意向があるのだと思うが、率直に言って、複数の投手をそろえられない学校は、甲子園を断念すればよいと思う。それが嫌なら、へぼでもへたくそでも無理からでも投手をそろえてくるだろう。

そもそも、100人以上の生徒を集めたり、全国から有望選手をスカウトしたりする私学の「高校野球商法」をここまで看過しておきながら、「球数制限」に異を唱えるのは矛盾している。
学校間の戦力均衡を図るのなら、まず「私立野球学校」に制限を加えるべきだろう。

「体力の限界まで投げる球児たちの美しい姿」を守ろうという見方は、論外としても、お粗末な理屈で「球数制限」の導入を阻止しようという守旧派の意見は、論破されるべきだ。

新潟県高野連の勇気ある方向転換が、その一歩になればよいと思う。

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広島総合・広島市民・マツダS・シーズン最多本塁打打者/1950~1986、2007~2018

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