理想論を述べてみたい。エクスパンションは、本質的には12球団が16球団になることではない。
今、NPBでは「ボールパーク構想」が、オリックスを除くパの5球団と、DeNAで進行している。
この6球団は「親会社の後ろ盾で球団をやりくりする」のではなく、プロ野球チームを核とした新しいビジネスモデルを創出しようとしている。私は今月にDeNAの経営者に話を聞くが、「ボールパーク構想」が単なる新規事業ではなく、「野球」を核とした新しいスポーツビジネスの立ち上げなのではないか、聞くつもりだ。できれば他の5球団にも同様の取材をしたいと思う。
それは「野球離れ」に対する一手にもなりうるのではないか、と思っている。

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こういうかたちで6球団が、次のステージに進む中で、ボールパーク構想を持っていない、あるいは、新たなビジネス展開ができない残りの球団は、衰退していくと考える。

そんな中で、新規参入を意図する企業が現れてくる。「ボールパーク構想」の成功を見て、そのビジネスモデルに乗りたい、と思う企業が近づいてくる。新しいレベルに進化した6球団は、マーケットの拡大のために、新規球団を受け入れる。そしてビジネスモデルを共有する。

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参入する企業は、おそらくベンチャーだ。ZOZOも依然、その有力候補の一つだろう。うさん臭く見えるかもしれないが、MLBの各球団を見てもわかるように、時代に即応して変化できなければならない。
稟議書を上げて、会議をして、親会社にお伺いを立てるような既存の企業は、このスピードに対応できない。

また参入する企業は、単独ではなく、複数の企業グループでもいい。今はそれはできないが、小資本でも才覚のある企業が集まって、ビジネスを展開することが可能になるべきだ。
また、投資家グループによる買収もあっていいだろう。

今、日本は「失われた20年」の間に、世界からおいて行かれている。その元凶は、高度成長時代まで日本を担ってきた大企業だ。官僚主義的で、保守的な企業体質が、アメリカに後れを取り、中国の後塵を拝することになった。

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今のNPBで「名門」と言われる球団の親会社は、ほぼその手の古い企業だ。

エクスパンションは、新規にベンチャー系の企業の参入を促すとともに、「今何が起ころうとしているのか」さえ理解していない、古い親会社に「退場」を促すものでなければならないと思う。

うさん臭いかもしれないが、これからのスポーツビジネスの担い手は、ZOZOやメルカリなどのベンチャーのはねっかえりだ。リスキーだが、リスクを取って先行者利益を得るような企業でなければ、再考できない。スポーツビジネスも仕切ることはできない。
トヨタや、NTTや、銀行系の企業や家電メーカーなどに、スポーツビジネスを仕切っていく能力はない。

エクスパンションとはこれまでの親会社のような「普通の会社」が新たに球団を持つことではない。
そのことがわからないと、エクスパンションはとうてい理解できないだろう。


2018年鈴木博志、全登板成績

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