朝、指摘したような心ないファンと、日本野球に蔓延している「勝利至上主義」は根が同一だ。



ともに「勝つこと」以外の価値基準を有していない。端的に言えば、どんなことをしてでも勝てばよいという価値観だ。汚いことをしても、相手の失策に乗じても、何でもいいのである。

そういう選手や指導者は、時としてルールの裏をかこうとする。また、相手をひるませるために恫喝したり、ボディアタックをしたりする。要するに野球をスポーツではなく「喧嘩」あるいは「戦争」だと思っているのだ。端的に言えば、相手は死ねばよいと思っている。
今の野球界にはそういう価値観の指導者がたくさんいる。そういう指導者は、相手選手は「敵」だから、白い歯を見せるな、などというのだ。

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そういうファンは、味方、贔屓がやることであれば、どんなことでももろ手を挙げて賛成する。そして、汚いヤジや誹謗中傷で、援護射撃しようとする。
彼らは戦時の「軍国国民」みたいなメンタリティである。しかし確たる信念がないため、一人では大きな声を上げたりはしない。仲間といるときだけ、気持ちが大きくなって大声で相手を罵倒したりする。

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こうした考え方が、スポーツとは相いれないことは、明白だ。
スポーツの基本は「リスペクト」だ。相手チーム、相手選手、審判、もちろんチームメイト、指導者に対して等しく敬意を払うことが必要だ。指導者は自分の選手もリスペクトしなければならない。
さらに言えば、規則、ルールや、その競技そのものにも敬意を払わなければならない
ルールの穴をつくようなプレーを、日本では「頭脳プレー」などというが、そういう悪知恵を働かせる指導者や選手は、スポーツからイジェクトされねばならない。

日本では依然、「勝てばなんでもいい」指導者、ファン、そしてメディアが猖獗を極めているが、彼らが大きな声でモノを言っている限りは、日本はスポーツ先進国ではない。



「宇佐美式勝利打点」を調べてみました・2019|8月25日まで

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