読者からスポニチが福浦引退に関して、反論する記事を書いていたとご教示いただいた。
ロッテ・福浦引退試合にあった見事な一体感、一つ残念だったのは…

おそらくは豊浦彰太郎さんのYahoo!の記事と私がFRIDAYで書いた記事、そして日刊ゲンダイの無記名記事への反論だと思う。

まだ、このことに言及するだけましだと思う。しかも記者名を出している。その点は、評価できるだろう。またこの記者は、私や豊浦さんが何を問題にしているのかも理解している。

福浦は今季1軍出場はなく、2軍打撃コーチが主な仕事だった。だからこそ、その福浦に対する「引退試合」のキャンペーンは確かに過剰に思える部分は私自身も感じた。だからこの引退試合の意見も賛否両論、千差万別あっていいと思う。

しかし、そのうえでこの記者は

ただ、一つ、残念だったのは夕刊紙やフリー記者はその場には不在だったこと。

と私たちをバッサリ袈裟懸けにしている。「言うたった!」という感じだろうか。
「偉そうに書いていても、お前ら現場に来てないだろ」と言いたいわけだ。

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私は、必要とあらばどこへでも出かけていく。9月には韓国までU18を見に行った。関西在住だが、沖縄でも関東でもどこへでも行く。もちろん自腹で。メディアは原稿料は払ってくれても交通費はくれないから、赤字覚悟だ。取材パスをとるのは一苦労だが、必要があれば請求する。

会社に請求すれば交通費も宿泊費も手当もでるスポーツ紙とは立場が違う。

しかし福浦の引退試合は、行く必要性を感じなかった。私は福浦に「公式戦に出場する資格があるのか」を問うたわけで、どんな形にせよ「出場した」という事実があればそれでよかった。

この記者は

無私無欲だった福浦の姿勢、井口監督の男気と秘策、選手たちの一体感。ちなみに必死に「営利」に走る球団は昨季、千葉移転後初の黒字に転換し、それを惜しみなく戦力補強につぎ込んだ。勝利へ向かうベクトルはみんな同じだ。あの日の球場の「空気」を感じ、現場の生の声に耳を傾けた上、書いてほしかった。

と絶賛しているが、すでにメディアというスタンスを逸脱している。

「営利」に走る球団は昨季、千葉移転後初の黒字に転換し、それを惜しみなく戦力補強につぎ込んだ。

それは記者が一緒になって喜んでいいことではない。スポーツニッポンというメディアにいる立場として、球団の利害からは一歩引いたスタンスでモノをいうべきでしょう。

私も「民族の祭典」みたいになっている球場によく行くが、正直ついてけない。「野球を見ている」とは思えないし、みんなが一つのベクトルで大絶叫するありさまには「全体主義」みたいなものを感じて恐ろしくなる。そんな応援だけが野球観戦ではないし、ファンでもない。
私が現地に行って「現場の生の声に耳を傾けた」とすれば、もっと強い口調になっていたと思う。

早速、豊浦さんは反論している。

ロッテ・福浦引退試合に「見事な一体感」を見るか?「公式戦の尊厳の危機」を見るか?

「公式戦で引退試合をすること」の是非については、書かせてくれるメディアは非常に少ない。いつも書いているメディアでも、理由は明かされないが「ちょっと」と言われる。
強く出れば、書く場所を失いかねない状況で、辛うじて書いているのだ。
署名でこの手の記事をアップすることの厳しさを、この記者は理解しているか?

「現場の声」に常時耳を傾けている、既存メディアが発信する記事が劣化し、人々の支持を得られなくなったから、我々のような「野良犬ライター」が、出てきているのだ。

スポーツ紙の正当性を主張するのは良いが、周りを見渡してごらんなさいと言いたい。




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