昨夜、私は1試合目の日韓戦を東京ドーム一塁側の3階席で見ていた。

両軍選手がホームベースを挟んで両側に整列すると国歌斉唱である。

ちなみに台湾との試合では、場内アナウンスは「国歌斉唱」とは言わず「ナショナルアンセム」という。中華人民共和国は、台湾を国家とは認めず、中国の台湾省であるとしている。英語ではチャイニーズタイペイだ。国歌斉唱ではないという建前があって、日本語アナウンスは「ナショナルアンセム」とかわしているのだ。

プレミア12に中国は参加していないが、WBSCのメンバーなので気を使っているのだ。
プレミア12でもWBCでも、台湾は国旗とは異なるマークの旗をいただいている。別寅の梅焼きみたいなあのマークを台湾の人は気に入っていないだろうが、おとなしく受け入れている。彼らの人柄の良さもあるが、こういう状況に慣れてしまったのが大きいのではないか。

しかし昨日の日韓戦、「君が代」の音が気が流れると、私の5mほどとなりのスキンヘッドの男が旭日旗を掲げた。
私は東京ドーム中を見渡したが、日の丸はいくつかあったものの、旭日旗はこの男だけのようだった。

旭日旗は、日本が戦後も長く掲げてきた旗であり、韓国は10年ほど前から「ナチスのカギ十字と同じ戦犯旗だ」と言い始めている。言いがかりもいいところだが、この手の論争をこともあろうに野球の現場でやらかしてほしくない。

そう思っていたら試合が始まってしばらくして、警備担当者、それも相当上位にいると思われる人がその人物に近づいて「掲示しないよう」と伝えた。私はどうなるか、と思っていたが、スキンヘッドはおとなしく旗をバッグに収めた。
彼は、中日ドラゴンズのユニフォームを着ていた。そういう主張をするために球場に来たのではなく、深く考えずに旭日旗を掲げたのかもしれない。
ただでさえも韓国メディアはプレミア12のジャッジをめぐって反日報道をしている。もしこれが目に留まったら、どんな報道をされるか、と思うとそれを未然に防げてよかったと思う。

IMG_1616


試合が始まれば、観客は日本を応援しながらも、韓国選手にファインプレーが出たら惜しみない拍手を送っていた。張本勲は「韓国は守備が下手になったね」と言ったそうだが、本当に試合を見ていたのかと思う。

客席からは「テーハミング!」の大声援も起きていたが、小競り合いのようなものは起きなかった。

あたりまえである。今の反日、嫌韓は「ためにする議論」であり、日々平穏に暮らす人々には何の関係もないのだ。

IMG_8458


日韓は、すぐ身近に実力伯仲するライバルを持ったことの幸せに思い至るべきだ。
「碁仇は、憎さも憎し、懐かしし」という句がある。隣国韓国が東京五輪出場を決めたことをまずは喜びたい。


1964年金田正一、全登板成績【スワローズ最後の年、最後の20勝到達】

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!