報知
ブルージェイズ・山口俊が初の救援登板も、3被弾4失点…ホスキンス、ハーパーに被弾でOP戦防御率は12・00に

本来、NPBからMLBに移籍する選手では、投手の方が実績もあり、計算が立つ。野手は評価が分かれるものだが、今年新たに挑戦した選手に限れば、野手の秋山翔吾、筒香嘉智が堅実なパフォーマンスを見せて評価を得ているのに対し、投手の山口俊は期待を裏切り続けている。

トロント・ブルージェイズは、山口俊に大きな期待をかけていたわけではない。NPBでずっと好成績をあげていたわけではなく、ここ2年の成績だけだった。そして酒での失敗などの情報も入ってきていた。

ブルージェイズは左腕柳賢振を獲得したし、ロアーク、チェイス・アンダーソンと先発陣はそろっている。もともと山口は5番手、あるいはセットアッパーやバルクガイ的な起用が想定されていた。ポジションが定まらないスイングマンという見方があった。
だからこそ、山口はいいところを見せるべきだったが、制球が甘かったのだろう。

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ただ、今年の3人のMLB挑戦者を見ると、ある種の「適性」も見えてくる。秋山と筒香は、野球についてずっと「学ぶ」「研究する」という態度をとってきた選手だ。秋山は春季キャンプでは、外野での一歩目の踏み出しを試行錯誤したり、打撃でもフォームを試したり、学究肌的なところが目立っていた。
筒香は、筋トレを採用したものの合わないとみると、自分の体に合ったバランストレーニングを編み出したり、打撃フォームでも強いこだわりを持って改良してきた。

この2人は、MLBに挑戦するについても、野球の傾向や投手の配球、さらには戦術などをしっかり学んで、それをスプリングトレーニングで実験していたと思う。

しかし山口は「学究肌」という印象はない。技術論を語る印象もない。「MLBで武者修行」に近い感覚で移籍したのではないかと思う。

過去の移籍選手でも、真摯に学ぶ姿勢を見せず、勢いだけでMLBの壁を破ろうとした選手はうまくいっていない。中村紀洋、西岡剛、投手では井川慶などがそんな印象だ。

あくまでも「印象」ではあるが。

これはMLBからNPBにやってくる外国人選手にも言えると思うが、「異文化に向き合い、真摯に学ぶ」という姿勢がなければ、国外リーグで成功することは難しいのではないか。

新加入の選手は、早いうちに高い評価を得る必要がある。山口俊に残されたチャンスはそれほど多くないはずだ。

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2019年E.エスコバー、全登板成績

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