ご依頼もあったので日曜日の山本昌の投球を1球ずつ追いかけることにした。いや、面白い。今年はダルビッシュ、斎藤佑樹、田中将大、黒田博樹、ストラスバーグと投球を追いかけているが、一昨日の山本昌は、まさに名人の投球だった。


山本昌の「スタミナ」という名の財布には、もう小銭しか残ってない。財布を開ければ札束がうなっているダルビッシュ有などと違い、無駄遣いはできないのだ。その切迫感が、この日の見事な投球につながった。
立ち上がりは、決して順調ではなかった。もともと早打ちのはずの平野がじっくり球を見極めて歩き、大和がバントの構えから強行するも併殺。しかし、鳥谷がセンター前に。130km/hそこそこの速球を狙われた。風前のともしびのように思えたが、新井貴浩の遊ゴロで窮地を切り抜けた。
※この部分誤記ありました。ご指摘いただき修正しました。失礼をいたしました。ありがとうございました。
2回にはこの日最速の136km/hが出たが、むしろ速球の球速が落ちてからの方が打者は攻めあぐねていた。速球、シュート気味に落ちるシンカー、そして小さく曲がるスライダーが、ほぼ同じ球速で、同じようなタイミングで投じられる。低め、アウトコースに3種類の軌道の球が決まり始めたのだ。
山本昌は2ストライクに追い込んでから遊ばない。財布の中にはもう小銭しかないから、無駄遣いが出来ないのだ。見逃せばストライクと言われそうな球に、打者は手を出さざるを得ない。若手投手にはできない、大胆不敵な投球だ。
2回、3回を17球で三者凡退に。こうして山本昌は立ち直った。
阪神の打線では、マートンの調子の悪さが目立った。ボールを見極めているのではなく、見えていないという感じ。彼がブレーキになっていた。
4回、5回、そろそろ焦りの出た阪神は、新井貴浩、城島健司らがファウルで粘る。しかし続くマートン、金本があっさりと凡退。投手を助けた。
狙い球を見極められないままに、回は進んでいく。
8回、これまで低めのストライクゾーンに決まっていた球がぶれはじめる。すでに速球は125km/h前後しか出ない。2死後、金本、代打の新井良太、6球ずつ粘ってともに出塁。代打の関本に安打が出ていれば、山本昌は一気につぶれていたはずだ(もっとも、そうなれば救援がでてくるだろうが)。
しかし関本の当たりは左飛。阪神の反転攻撃はあまりにも遅すぎた。
財布の中身はちょうど空になって、山本昌は歴史的な「白星」を自分のものにすることが出来たのだ。
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山本昌の「スタミナ」という名の財布には、もう小銭しか残ってない。財布を開ければ札束がうなっているダルビッシュ有などと違い、無駄遣いはできないのだ。その切迫感が、この日の見事な投球につながった。
立ち上がりは、決して順調ではなかった。もともと早打ちのはずの平野がじっくり球を見極めて歩き、大和がバントの構えから強行するも併殺。しかし、鳥谷がセンター前に。130km/hそこそこの速球を狙われた。風前のともしびのように思えたが、新井貴浩の遊ゴロで窮地を切り抜けた。
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2回にはこの日最速の136km/hが出たが、むしろ速球の球速が落ちてからの方が打者は攻めあぐねていた。速球、シュート気味に落ちるシンカー、そして小さく曲がるスライダーが、ほぼ同じ球速で、同じようなタイミングで投じられる。低め、アウトコースに3種類の軌道の球が決まり始めたのだ。
山本昌は2ストライクに追い込んでから遊ばない。財布の中にはもう小銭しかないから、無駄遣いが出来ないのだ。見逃せばストライクと言われそうな球に、打者は手を出さざるを得ない。若手投手にはできない、大胆不敵な投球だ。
2回、3回を17球で三者凡退に。こうして山本昌は立ち直った。
阪神の打線では、マートンの調子の悪さが目立った。ボールを見極めているのではなく、見えていないという感じ。彼がブレーキになっていた。
4回、5回、そろそろ焦りの出た阪神は、新井貴浩、城島健司らがファウルで粘る。しかし続くマートン、金本があっさりと凡退。投手を助けた。
狙い球を見極められないままに、回は進んでいく。
8回、これまで低めのストライクゾーンに決まっていた球がぶれはじめる。すでに速球は125km/h前後しか出ない。2死後、金本、代打の新井良太、6球ずつ粘ってともに出塁。代打の関本に安打が出ていれば、山本昌は一気につぶれていたはずだ(もっとも、そうなれば救援がでてくるだろうが)。
しかし関本の当たりは左飛。阪神の反転攻撃はあまりにも遅すぎた。
財布の中身はちょうど空になって、山本昌は歴史的な「白星」を自分のものにすることが出来たのだ。
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コメント
コメント一覧
阪神打線は見逃しが多かったですね。球数消耗か追い込まれてからでも打てるという意識か分かりませんが、2ストライクから甘い球が少なく逆に追い込まれていきました。見事に術中にはまった感じ。開幕戦で石川にあわやノーヒッターを食らいそうになった巨人打線と対照的です。
立ち上がりですが、平野四球の後、大和は初球バントの構えを見せていましたが、2球目にバスターに切り替えてエンドラン。これをアライバが際どいタイミングで4-6-3併殺に仕留めたことがリズムに乗っていくキッカケになったと思っております。
よって初回の併殺は新井ではなくて大和のほうです。
もっとも、鳥谷は中安打のあと、暴投で二進していたので、初回はかなり苦労しました。立ち上がりを上手く乗り切ってから波に乗ったようです。
この試合は前2試合と違い、スタメン捕手は小田でしたが、小田との相性が2年前からいいようで、そのへんも好投につながったようですね。
この試合,岩田のピッチングもすばらしいものでした.
山本昌は,投げる相手が好投すると,それにつられて良くなっていくような印象があります.
中継中,落合氏は山本昌を「優しい」と評していましたが,とても負けん気の強い投手であるようにも思います.
月曜の中日新聞では,杉下氏の211勝を超えることが一つのモチベーションとなり,手術に踏み切ったとありました.
また,その杉下氏はルーキー当時の山本昌を見てとてもプロでは通用しないだろうと思ったそうです.
気の強さが,この大投手を育てたのではと思います.