知り合いの新聞記者がトライアウトについて書いているので読もうと思ったが、例によって
「この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。」で遮られて途中までしか読めなかった。
新聞は売り物だから、ただで読まれては商売あがったりということなのだろうが、なぜ記事のばら売りをしないのかと思う。
文春など雑誌系は記事を1本単位で買うことができる。100円から数百円で、ポイントでも購入できる。
新聞社の記事は、コスト度外視でしっかり取材しているから、読みたい記事はたくさんあるのだが、無料会員で申し込むと、月5本しか読めない。大事な記事は有料会員でないと読めない。
有料会員は、月額1000円で宅配するという特典がついているが、要するに紙であれネットであれ新聞を月ぎめで購入してもらいたいわけだ。

私は数年前に新聞の購読をやめた。毎日毎日届く新聞に「読むところがほとんどない」からだ。記事の大半はネットで既報だし、わざわざ読むべきところは極めて少ないのだ。
その上に、毎日大量の紙が溜まっていく。新聞紙で弁当を包んでいたのは、はるか昔の話だ。ゴミを買っているような錯覚を覚える。

ばら売りをしないのは、新聞がいまだに「紙」に執着していて、読者が紙からネットに本格的に移行するのを阻止したいからだろう。
「うちの記事を読みたいなら新聞を買え」と言いたいのではないか。

百貨店の中には、ネット通販がはやる中で、ネットショップを開設せず「うちの商品はネットでは買えません」となっていた店がある。ネットで買えなくすれば百貨店で買ってくれるだろう、という考えからだ。

新聞も百貨店も、「選択するのはコンシューマー、読者だ」という基本的な仕組みがわからなくなっている。「読みたいなら新聞を買え」「買いたいなら店へ来い」と言えば、みんなそうすると考えているのだ。

今や情報を発信しているのは新聞やテレビだけでない。ネット専門のメディアはたくさんあって、巨大なものもたくさんある。東洋経済新報社や文藝春秋など雑誌メディアは、とっくにネットにシフトしていて、紙メディアよりもはるかに売り上げが上がっている。

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そんな中で新聞は、せっかくの記事を途中までしか読ませないのだ。
「全部読ませたら新聞が売れなくなる」と思っているのかもしれないが、今更あんな紙の塊を読むのは、デジタルデバイドで取り残された年寄りだけだ。スマホで読めない情報など、必要ないのだ。
ネットに軸足を移さないと、新聞はもうじき成立しなくなるだろう。もう手遅れな感じもするが、日本の健全な言論のためにも、新聞はネットでのビジネスモデルを考え直すべきだ。

新聞言論が、ネットで弱いのは、出し惜しみをするからだ。その間にフェイクも含めた質の悪い情報がどんどん増えてしまっている。
不動産で金を転がす暇があるなら、言論のためにも、新聞は考えを改めるべきだ。


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