東京五輪を巡る陰気な物語も、だんだん煮詰まってきているように思う。
東京五輪組織委員会の「週刊文春 発売中止及び回収」要求に対する「週刊文春」編集部のコメント
週刊文春が、4月1日号で報じたのは、開会式の演出に関するスキャンダルが佐々木宏の「オリンピッグ」に留まるのではなく、多くの演出家、クリエイターを巻き込む広範なものだったこと。その背景に、東京五輪の利権を独占したい電通の強い思惑があることなどだ。

強く印象に残るのは「内部資料」と思しき「スタッフや調達先の選定事項」に

●すべての商流は電通から
制作会社、スタッフすべての発注は電通から行う。

という一文があったことだ。これが映画監督の山崎貴、椎名林檎などのクリエイターに通達されたということだ。
世界最大の広告代理店、電通はネット広告の世界ではやや遅れを取っている。既得権益に依拠する部分が多くなるとともに、政治案件に深くコミットするようになった。
恐らくは東京五輪のすべての利権を、博報堂などライバルを排除して独占しようとしているのだろう。
その過程で森喜朗など組織委員会とも深くつながるようになったという。

文春が取材の過程で、開会式に関わる内部資料を入手したことに対して、

開会式の演出内容が事前に公表された場合、たとえそれが企画の検討段階のものであったとしても、開会式演出の価値は大きく毀損されます。
とし
内部資料の一部の画像を本件記事に掲載して販売すること及びオンラインに掲載することは、著作権を侵害するものです。同社に対しては、当該の掲載誌の回収、オンライン記事の全面削除、及び、資料を直ちに廃棄し、今後その内容を一切公表しないことを求めています。

としている。文春側は、国民の税金を使った開会式が、一部の利権集団によって私物化され、捻じ曲げられていることを伝えるのは、公共の利益に資すると考えている。
だから

小誌に対して、極めて異例の「雑誌の発売中止、回収」を求める組織委員会の姿勢は、税金が投入されている公共性の高い組織のあり方として、異常なものと考えています。小誌は、こうした不当な要求に応じることなく、今後も取材、報道を続けていきます。

と決然と言い放った。

週刊文春にもたくさんの広告が掲載されているが、これらの多くは電通取次のはずだ。それにもめげず、こうした記事を発信する姿勢は尊敬に値する。

ジャーナリズムの基本は、権力者の弛緩、腐敗を監視し、力のあるもの、強いものが「触れてほしくない」と思っていることを暴き立てることにある。
今の新聞、テレビは「ここから入ってはいけません」と言われれば「はい、わかりました」と引き下がるが、文春は「立ち入り禁止」の柵を超えてその先に進むのだ。
端的に言えば、柵の前で立ちすくむようなメディアは必要ないのだ。

ただ、文春の社員や関係者は聖人君子ばかりではないだろう。権力側は文春サイドのスキャンダルを鵜の目鷹の目であさっているはずだ。トラップも仕掛けていると思う。

近頃は、東洋経済オンラインも厚生労働省のスキャンダルを暴いたが、私にとって一番出稿が多い2つのメディアが権力に対峙する姿は麗しいとは思ううものの、同時に冷や冷やもしている次第だ。

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