日曜日、例の番組で、張本勲は
「それにしてもアメリカ野球はずいぶんレベルが落ちたね。大谷一人にかき回されているもんね」と言った。目くじらを立てることはないが、いやしくも公共の電波である。
何の根拠もない妄言に対しては、一応言っておく必要があると思う。

MLBはここ10年ほどで、確実にレベルが上がっている。
その最大の要因は「トラッキングシステム」の導入とその進化だろう。
投手は、これまでのように「より速く」「より制球よく」だけを目指すのではなく、自分に合った球種、配球をデータ解析をもとに編み出すようになってきている。
そして「投げ込んで体に覚え込ませる」ような、野蛮で原始的なトレーニングではなく、1球ごとにデータで球筋を解析するようなステップで自分の持ち球を「開発」している。

その結果として最近のMLB投手は、見たこともないような軌道で変化する球を投げるようになっている。100マイルの球速は珍しくもないが、それに近い球速のカットボールや2シーム、さらに予測不能な変化をするチェンジアップやナックルカーブの使い手がたくさん出てきている。

打者もデータをもとに狙い球を絞っている。そして狙った球を「バレル」と呼ばれる角度で打って本塁打を量産している。

さらに守備は、打者ごとに打球の傾向に合わせて守備位置を変更している。中前にゴロで抜ける安打が激減したのは、データに基づくシフトが定着したからだ。

NPBでもトラッキングシステムが導入されてはいるが、そのデータを活用している選手や指揮官は限定的だ。

NPBから近年移籍した打者がほとんど通用しないのは、それだけMLBのレベルが上がったからだ。

ダルビッシュや前田健太など、活躍している日本人選手はMLBに移籍してから進化したのだ。

そんな中で大谷翔平は、MLBでも例がない活躍をしている。トップクラスの投手から安打や長打を打って、強打者を抑え込んでいるのだ。

そのすごさは、歴史的でさえある。張本勲にそれが理解できないのは実に残念だ。

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1971~73年梶本隆夫、全登板成績

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