昨日NumberWebにアップされた
もし巨人で投げてたら197勝で名球会直前!? 現役最多173勝・ヤクルト石川雅規の“不運な名投手”データとは
をディスるコメントが結構来ている。

私は「そんな時代になったか」と思った。昔とはファン層がずいぶん変わったのものだ。

野球だけではないが、スポーツファンの最大の楽しみは「歴史」を語ることだ。
自分が見た選手のこと、試合のこと、そして本やデータで知った過去の選手、チームのこと。
もちろん、目の前の選手、チームを応援するのも楽しみではあるが、応援するうちに記憶が積み重なって「歴史」になる。それを酒場や職場で語ることで、楽しみはより深くなるのだ。

そういう点で「スポーツ好き」と「歴史好き」は、ほとんど同じだ。「黄金期」「王朝」「斜陽」「世代交代」など歴史で用いる言葉はほぼスポーツでも使うのだ。
なかでも「IF」は、最高の「酒の肴」だと思う。
歴史好きは、「本能寺の変で織田信長が死ななかったら?」「関ケ原で西軍が勝ったら?」「坂本龍馬が暗殺されなかったら?」みたいな話で何時間でも盛り上がることができる。
野球でも「澤村栄治が戦後も投げていたら?」「長嶋茂雄が南海に入っていたら?」「江川卓が高校からライオンズに入っていたら?」。「こうなっているはずだ」「いや、そんなはずはない」とタラレバ話を肴に何杯でもお酒が飲めるのだ。

「石川雅規が巨人に入っていたら24勝多く勝てたはずだ」と言うタラレバ話は、200勝未満で終わるかもしれない石川が、すでに200勝投手と同様の価値があることを説明するために取り上げた話だ。
ディスっている向きは「ヤクルトが弱いというな」とか「石川は巨人に入った方が良かったみたいに言うな」と思っているのかもしれないが、それは浅すぎる。

そもそも「弱いチームを応援する」のは高尚なことだ。「勝てば官軍」で、強いチームばかり応援するのは馬鹿でもできる。弱いチーム、一見魅力がなさそうなチームの良いところ、見込みがありそうなところを見つけて、それに期待するファンこそ本当のファンだ。「弱い」と言われれば「そうだよ、だけど好きなんだ」というのが本寸法だと思う。

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「何がなんでもわがチーム、選手」で、「批判は一切許さないぞ」と言うようなファンは、私に言わせれば「二流」であり「贔屓の引き倒し」だ。そんなファンしかいなければ、野球は世の中から相手にされなくなる。世間にはアンチもいれば、斜めから見る人もいる。もちろん無関心の人もいる。それを承知で、野球ファンを続けるべきだ。

「タラレバ話」は、ずーっと昔から野球ファンが楽しんできた。遅ればせでもいいから、そのことに気が付いてほしいと思う。


1971~73年梶本隆夫、全登板成績

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