この本を読んで、日本ハムファイターズは、マーケティングの基本をきっちりと抑えた、まともで優秀な会社だと思ったものだ。

しかし昨今の中田翔を巡る騒動では、とても優秀とは思えない行状になっている。

朝日新聞
プロ野球日本ハムは31日、同僚選手への暴力問題で出場停止処分となり、巨人に電撃移籍した中田翔選手について「退団前に皆様への謝罪・説明の機会を設けるべきでした」などとする謝罪文を球団の公式ホームページに掲載した。ファンあてに川村浩二球団社長名で「『ファイターズの中田翔』としての声を発する機会を設けぬままの退団となってしまい、皆様を失望させてしまったことを、深くおわび申し上げます」と謝罪した。

企業のリスクマネジメントの鉄則は「バッドニュースは早く、徹底的に」だ。
何か不祥事が起これば、経営陣は報道陣が騒ぐ前に会見をし、わかっていることをすべて発表し、謝罪すべきところは徹底的に謝罪すべきだ。火を消すにはそれしかない。

しかし中田翔の事件では、日本ハムは事実関係をしっかり説明することなく中田を無期限謹慎処分にした挙句に巨人に移籍させた。
その後も、フロントの中間管理職がラジオに出演してお詫びらしいことをしただけだ。

当初は、中田翔が何をしたか、だった事件は、球団の管理責任になり、社会の公共財としてのプロ野球としての信義を問われる事態にまで発展したのだ。

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事件をできるだけ小さく見せたい。責任を追及されたくない、という経営陣の保身に走る姿勢が、世間にさらけ出されてしまったのだ。

本来ならば、暴力事件が起こった時点で球団は記者会見を行って事件の詳細を発表すべきだった。中田翔にも謝罪をさせるべきだった。
そのうえで、移籍が決まれば、再度巨人側と共に記者会見を行い、その意図を説明すべきだった。

そういうことを一切せずに、中田翔1人に責任を負わせてしまった。

このネット上の謝罪も「日本ハムファン」に向けたものであり、巨人ファンや一般社会に向けたものではない。ここまできても「内向き」なのだ。

中田の事件のほかに、万波中正をめぐる人種差別発言も報じられている。他愛無いことかもしれないが、スポーツ界では「差別」は極めて厳しい目にさらされる。
この問題も、本来ならば万波に発言の機会を与えるとともに、球団として事実関係を総括すべきだった。しかしこれも、万波のプライベートを理由に「詳細は差し控えさせて頂きたい」としている。

いつの間にか、北海道日本ハムファイターズは、社会の公共財であることを忘れ、内向きの理屈だけで身すぎ世すぎをする「個人商店」になってしまったのだ。
最近、さっぱり勝てないのも、内向きに縮こまっていることと無縁ではないだろう。


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