北京五輪はナチスによる1936年のベルリン五輪と同様、「政治目的」によって行われる。ナチスの場合、1940年に同盟関係となる日本やイタリアとの連携や、ヨーロッパへの「示威活動」が主な目的だったが、中国の場合「国内向けのアピール」という性格が強い。
習近平政権にとって、最も恐ろしいのは「欧米諸国」ではなく「14億人民」だ。この人民が情報化によってだんだん知恵をつけて「自分たちは欧米諸国に比べて不自由で、欺瞞に生きた社会に生きている」ことを知り、覚醒することが何よりも怖い。
だから、オリンピックを開催して「中華人民共和国は、欧米諸国もうらやむほどの豊かで自由な社会で、コロナさえも克服した」ことを14億の民に知らせたいのだ。
その目的からすれば、特に西欧諸国を中心とした観客はいないほうがいい。海外から来たお客が「中国はこんなおかしなことをしている」「こんなに怖い社会だ」という感想をSNSで拡散されるのは何としても避けたい。
西欧諸国からやってくるメディアも煩わしい存在ではあるが、何といっても少数だし「感染症対策」と称して行動の自由、報道の自由を規制することも可能だ。
言論統制については、日本が「五輪と感染」の因果関係を、根拠も示さず徹底的に否定したことなども前例になるだろう。
IOCのバッハ会長は、習近平総書記と並んで開会式を見届ける。欧米諸国から見れば「裏切者」のような印象を与えるだろう。
人民の安全や利益を制限することなど全く平気な中国は「日本よりうまくやる」という絶対的な自信があるだろう。ウィグルや香港問題なども徹底的に抑え込むだろう。2008年の北京夏季五輪では様々な民族衣装を漢民族の子供に着せて「多様化」を捏造したが、今回はもっと巧妙にやるだろう。
夏季五輪の時期と比べても、中国と欧米諸国との対立は、はるかに深刻な状況になっている。アメリカ、イギリスなどはぎりぎりまで出場を明らかにしないだろう。1980年のモスクワ五輪のような状況もありうる。
しかし日本は、今年の東京五輪で中国が韓国のような嫌がらせをせず、協力的だったことから「借りがある」という認識ではないかと思う。欧米と中国の議論にできるだけ加わらず、こそっと参加表明すると思われる。
このあたり頭に日の丸をおっ立ててネトウヨを発情させた高市早苗が首相になったらどういう判断をしたか、見てみたかった。日頃、反韓、反中の旗振り役みたいになっている安倍晋三も「だんまり」を決め込むだろう。むしろ岸田文雄次期首相は自民党「リベラル」の本流だから、参加するにしても何らかのメッセージを発するかもしれない。
例によって選手たちは「私たちは政治問題はわかりません。競技に向けて努力するだけです」と明るく語るだろう。国際的に見れば「競技ロボット」は、アスリートとは言わない。
そして日本メディアも例によってくだらない「メダル争い」と「アスリートの汗と涙」を報道しまくるだろう。
数日前、中国各地で大停電が起こった。分厚いスモッグで覆われた北京の空を、五輪期間だけ真っ青にするための予行演習だったという。習近平政権は、14億の人民は怖いが、個別の民の生活など、何とも思っていない。
冬がやってくれば、スポーツ界はまた、うんざりするような議論が巻き起こることになる。一つだけ言えるのは「オリンピックはもうたくさんだ」ということだ。

1965年及川宣士、全登板成績
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だから、オリンピックを開催して「中華人民共和国は、欧米諸国もうらやむほどの豊かで自由な社会で、コロナさえも克服した」ことを14億の民に知らせたいのだ。
その目的からすれば、特に西欧諸国を中心とした観客はいないほうがいい。海外から来たお客が「中国はこんなおかしなことをしている」「こんなに怖い社会だ」という感想をSNSで拡散されるのは何としても避けたい。
西欧諸国からやってくるメディアも煩わしい存在ではあるが、何といっても少数だし「感染症対策」と称して行動の自由、報道の自由を規制することも可能だ。
言論統制については、日本が「五輪と感染」の因果関係を、根拠も示さず徹底的に否定したことなども前例になるだろう。
IOCのバッハ会長は、習近平総書記と並んで開会式を見届ける。欧米諸国から見れば「裏切者」のような印象を与えるだろう。
人民の安全や利益を制限することなど全く平気な中国は「日本よりうまくやる」という絶対的な自信があるだろう。ウィグルや香港問題なども徹底的に抑え込むだろう。2008年の北京夏季五輪では様々な民族衣装を漢民族の子供に着せて「多様化」を捏造したが、今回はもっと巧妙にやるだろう。
夏季五輪の時期と比べても、中国と欧米諸国との対立は、はるかに深刻な状況になっている。アメリカ、イギリスなどはぎりぎりまで出場を明らかにしないだろう。1980年のモスクワ五輪のような状況もありうる。
しかし日本は、今年の東京五輪で中国が韓国のような嫌がらせをせず、協力的だったことから「借りがある」という認識ではないかと思う。欧米と中国の議論にできるだけ加わらず、こそっと参加表明すると思われる。
このあたり頭に日の丸をおっ立ててネトウヨを発情させた高市早苗が首相になったらどういう判断をしたか、見てみたかった。日頃、反韓、反中の旗振り役みたいになっている安倍晋三も「だんまり」を決め込むだろう。むしろ岸田文雄次期首相は自民党「リベラル」の本流だから、参加するにしても何らかのメッセージを発するかもしれない。
例によって選手たちは「私たちは政治問題はわかりません。競技に向けて努力するだけです」と明るく語るだろう。国際的に見れば「競技ロボット」は、アスリートとは言わない。
そして日本メディアも例によってくだらない「メダル争い」と「アスリートの汗と涙」を報道しまくるだろう。
数日前、中国各地で大停電が起こった。分厚いスモッグで覆われた北京の空を、五輪期間だけ真っ青にするための予行演習だったという。習近平政権は、14億の人民は怖いが、個別の民の生活など、何とも思っていない。
冬がやってくれば、スポーツ界はまた、うんざりするような議論が巻き起こることになる。一つだけ言えるのは「オリンピックはもうたくさんだ」ということだ。

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コメント
コメント一覧
サッカーW杯を主催するFIFAは更に酷い組織ですし、ラグビーW杯を主催するIRBはトップ8ヵ国以外の国は歯牙にもかけません。
特にIRBはトンガ・フィジー・サモアの南太平洋諸国からの搾取を見て見ぬふりを決め込んでいるというドキュメントをスカパー!でやってましたし、W杯では放映権料や広告費などは全額持って行き開催国に入るのは入場料収入のみとぼったくり度はさらに激しい。
国際アマチュアボクシング連盟のトップはヘロインの国際密輸組織の幹部など、国際的な主催組織は腐敗しまくってますからIOCはマシな方ですし‘オリンピックはたくさん’という考えならスポーツの国際大会はまともに見られなくなりますよ。
FIAもひどいですね。とくにヨーロッパ系のスポーツの国際組織が腐敗するのは、競争原理が働かないからでしょう。アメリカの4大スポーツはカテゴリーの枠を超えて競争していますから。
それとヨーロッパ系の国際組織は、IOCに倣っている部分も大きいのだと思います。
アメリカン・スポーツの統括組織は「カンパニー」になりますが、ヨーロッパは「キングダム」になるような印象です。