「モーニングショー」では全米野球記者協会(BBWAA)の発表を中継していたが、その時間になってスターウォーズに出てきそうな大きなおっさんが「Syohei Ohtani」と言ったことの意味が、良くわからなかった感じだ。
このおっさんは、フランク・トーマス。93,94年、ホワイトソックスで2年連続MVP、2014年に殿堂入り。2468安打521本塁打1704打点。薬物問題でもクリーンで、彼がプレゼンターになっていたわけだ。



MVP投票は30人の記者によって行われるが、大谷は1位票を満票獲得。パーフェクトの結果だった。2位はゲレーロ、2位を29票獲得、3位はセミエン、3位を24票、以下ヤンキースのアーロン・ジャッジ、アストロズのカルロス・コレイアの順。

日本は例によって大騒ぎだが、大谷のMVP受賞は極めてイレギュラーだと言ってよい。

もともとMVPは「その年の両リーグで最も活躍した選手」に与えられる賞で、投手も野手も受賞対象だった。
過去にはサンディ・コーファックス、デニス・エカーズリー、ボブ・ギブソン、ロジャー・クレメンスなども受賞しているが、2014年のクレイトン・カーショウを最後に投手はMVPに選ばれていない。
野手はMVP、投手はサイヤング賞と割り振りができたかのようだが、明文化されたわけではなく、それ以後もMVP投票で投手にも票が入っているのだ。

しかしWARが野手よりも上であっても投手の票はそれほど増えない。2018年のナ・リーグは投打合わせてメッツのジェイコブ・デグロムがrWAR10.4で1位だったが、MVPはWAR7.3のブルワーズ、クリスチャン・イエリッチが受賞した。デグロムはサイヤング賞だった。
ちなみにデグロムのWARはMVP投票では10.4だったが、サイヤング賞投票では9.9、デグロムは打撃成績でもWARを稼いだのだ。

つまり「投手成績」は、MVP投票では「あまり考慮されない」のが近年の考え方になっていたが、大谷翔平に関しては「打者+投手の成績」で、MVPに選ばれたのだ。

これは今までのMVP投票の概念ではなかった。大谷はこれまでのMLBの価値観を崩しつつあると言える。
日本でも日ハムの上原健太が二刀流挑戦を表明したが、MLBだけでなくNPBでも大谷に続いて二刀流で活躍する選手が出てくれば、野球界は変貌していくだろう。

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