今年11月14日の時点で、国内、国外FA権を持っているNPB選手は74人もいる。
NPBの発表による

FA権


NPBの選手は育成も含めて約1000人だからこのうち7%強がFA権を保有していることになる。MLBでは300人くらいがFAになるが、選手数も1500人くらいはMLBの試合に出るから20%程度。NPBの方がFA年限が長いので比率的にも少ないが、74人もいると言う言い方はできるだろう。

しかし今季のFA移籍の可能性があるのは中日の又吉克樹だけ。FA宣言後に残留を決めたのは西武の岡田雅利とDeNA大和の2人。この2人のFA権行使は形式的なものだが、それも含めてたった3人である。
そして日本ハムはFA権を持つ3人をノンテンダーにした。要するにFA権を行使する前に「うちはいりません」と言ったのだ。

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今年のNPBはコロナ禍も2年となり、とりわけ冷え込んでいる。各球団は大枚はたいて大物選手を獲得する余裕はない。また今年の巨人が、FAで獲得した井納と梶谷がほとんど勝利に貢献しなかったことも大きいだろう。
球団側からすれば「FA制度」は曲がり角を迎えたというところなのだろう。

一方で選手の側に立てば、大部分の選手は「チームに置いてもらっている」という感覚であり、できれば少しでも長く「在籍させていただきたい」わけで、よそのチームに移るなんて「とんでもない」という感覚だろう。仮にレギュラーの座を誰かに奪われ、控えに甘んじるとしても、他球団へ行ってうまくいくかどうかわからないから「控えでも在籍させていただく」ほうがいいのだ。

事程左様に日本では、球団は選手に圧倒的な優位性を持っている。チームはほとんどの選手を「置いてやっている」のであって、「来ていただいた」と思う選手は数えるほどしかいない。

これって、日本社会の縮図だと思う。正社員は定年まで勤めあげることをひたすら考え、クビにならないように会社の意向に沿おうとする。ほんの一握りの能力のある人だけが、ヘッドハンティングなどで移籍するだけ。
最近はリストラも多く、心ならずも会社を出る人もいるが、彼らとて会社に首を切られなければずっと正社員でいたかったはずだ。
日本社会では「ゼネラリスト」という名の「得意技を何も持っていないサラリーマン」を大量に生産する。そういう人たちは特化した強みを持っておらず、人間関係で会社にいるから、知らない人がいる他の職場に移ることを嫌がるのだ。
プロ野球選手は一応スペシャリストだが、大部分の選手が「代替可能」な平凡な選手だ。それを自覚しているから安サラリーマン同様、チームにいたいと思うのだ。

日本のFA制度はこの調子でやっても発展性がないだろう。多くの人が指摘するように「FA宣言」を廃止して、年限が来れば全員「FA」になるようにすれば、選手は球団べったりをやめて、自分の能力とか、将来性などを考えるようになると思うのだ。



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