この時期になると、各球団の選手寮に入寮するドラフト入団選手がニュースになる。いつも、ちょっとした違和感を持っている。
企業の「寮」は、会社の福利厚生の一環として、若い社員に、安価な住居費、生活費で提供される住環境だ。社員の生活は楽になるが、その代わりに社員は24時間、会社の管理下に入る。寮には「寮監」という管理職がいるのが一般的で、生活面で社員をチェックしたり、ときには朝にはラジオ体操をしたり、社員教育を行ったりする。
社員は、企業に雇用されているから社員が会社に管理されるのは、ある程度仕方がない。特に日本では「終身雇用」が前提だったから、社員の人生は、会社の掌に乗っていると言っても良かった。
今は終身雇用は崩れつつある。今は大企業でも平気でリストラをするが、社員の企業への帰属意識はいまだに強い。「しがみついている」と言う見方もできる。

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しかしプロ野球選手は、球団に入社するわけではない。選手は「個人事業主」として球団と個別に契約している。球団は、選手に報酬に見合った活躍を求めるが、基本的に選手を管理したり教育したりする義務はない。ダメならクビにするし、成績が上がれば給料を上げる。必要があればトレードするのだ。
で、あるのに、日本のプロ野球選手は、若いうちは全員寮に入る。寮には寮長と言う指導者がいて、選手を管理し、教育することになっている。プロ野球選手は疑似的な「サラリーマン」になっているのだ。

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こうした体質が、選手に過度なチームへのロイヤルティを生じさせる。球団への忠誠心のあまりに不当な扱いをされても我慢するような選手が出てくる。また自己管理ができない幼稚な選手も生んでしまう。
要するに「プロ意識」が欠如し、球団にしがみつく意識の低いプロ野球選手を大量に生み出すのだ。

本来、プロ野球選手は「野球」のみで、球団と結びつくべきで、それ以外の部分では一個の独立した「社会人」として、自分で考え、自己責任で行動すべきだ。
朝は寮長に起こされ、みんなで朝食を食べて、同じ時間に練習に行って門限を守って生活する。こんな「個人事業主」が、自己を確立できるとは思えない。

一般企業でも社員寮はどんどんなくなっている。こうした「昭和の習慣」はどこかでやめるべきだろう。

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