私は、そもそも新庄剛志という野球選手が嫌いではあった。

アイドル的なデビューをしたが、阪神の若手選手時代に、突然「やめる」と言って駄々をこねたのが気に入らなかった。
さらにイチローと同時にMLBに挑戦したものの、バリー・ボンズに気に入られるなど「野球以外」の部分で話題を振りまいたのも気に入らなかった。
北海道日本ハムに移籍して、球団を盛り上げたのはいいが、これも「野球以外」のことであり、日本シリーズを自分の引退試合にしてしまったことが非常に気に入らなかった。引退後は、バリ島に住んだりしていたが、それは私には「知らんがな」ではあった。

それが15年も経って、日本に復帰して、いきなり「日本ハムの監督」になった。選手としてそれなりの実績があったかもしれないが、指導者としての経験などない新庄が監督になったのは「人気取り」以外には考えられなかった。
監督就任以降の言動を見ても、新庄がまじめに監督業を学ぶ気はなく、世間の気を引くことばかり考えているのは明らかだった。私はうんざりした。

要するに新庄は「野球」そのものではなく「野球周辺」で、奇矯な格好をしたり、さして面白くもない軽口をたたいて注目を集め、それでここまでやってきたのだ。野球選手というより「野球芸能人」であり「色物」、もっと言えば「際物」だったのだ。そういう人物が野球界を担う位置にいることに、不快感を覚えたわけだ。なぜ、彼を歓迎する人がこんなにいるのか、理解できなかった。そういう人は、選手時代からの新庄ファンなのだろうが、レベルの低い連中だと思ってきた。

昨日、巨人ー日本ハムの練習試合を見に行った。取材パスはとらずにお客としてセルラーフィールドに行った。観客は4000人と平日の昼にしては多くのお客が集まった。

日本ハムは新しいユニフォームに変わっていた。左肩にラインが入った左右非対称のデザインで、良いか悪いかはよくわからないが「変わった」感じはした。

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メンバー交換で新庄監督が現れた。赤いマスク、赤いアームカバーは、同じユニフォームの選手に交じっても「俺」をアピールするためだと思えた。

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試合が始まった。両軍ともに若手中心だが、日本ハム打線はファーストストライクからどんどん打っていった。声を出し、非常にポジティブだった。

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ここ数年の日本ハムは、とにかく沈滞ムードだった。昨年鎌ヶ谷で見た二軍には中田翔が沈殿していたが、チームの雰囲気は暗く、選手は楽しそうではなかった。

今年初めて見た日本ハムの空気は一変していた。これは驚きではあった。また、栗山英樹監督の終盤期がいかに沈鬱なものだったかに思い至った。
この空気を一変させるために「新庄剛志」が必要だったのだとすれば、それはそれで理解できると思った。

8回、三塁コーチャに新庄監督が立った。場内はざわめいた。背中にはBIGBOSSと書かれている。スタイル抜群だ。1イニングだけだが、見せ場を作った感じがした。

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新庄監督は、ガラポンで打線を組んだとされるが、少しまともなオーダーに変わっていた。作戦面でも奇異なことはしなかった。
新庄監督のパフォーマンスが「試合の邪魔にならないレベル」にとどまり、空気を換えるというのならポジティブな意味合いも出てくるだろう。

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私が新庄剛志監督が気に入らないのは、これまでとは同然だが、球団が新庄を監督にした理由が少し理解できた気がしたのも事実だ。


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