「国家と違って企業は独裁でもいいんです。早くて強いリーダーシップが取れるほうがビジネスは成功します」
何たら総研などという経営コンサルが、会社の幹部を前にこういうことを言うのを何度か耳にした。
社長がいるときは
「御社はそうではないですが」と気遣うのが常だったが、日本の企業の過半数を占める中小企業は、ほとんどがワンマン企業だから、日本と言う国は見方を変えれば「小さな独裁国家の集合体」のようなものだった。
日本のサラリーマンが言いたいことも言わずに安い給料で会社につなぎとめられるのも、会社で正当な自分の権利など主張できるはずがないと思っているからだ。また転職が厳しいのは「会社を途中でやめるような人間は、不忠義ものだ」という認識が世の中に根強く残っているからだ。
雇用の流動性の前提は「人間の自由意志の尊重」だと思うが、日本社会はその意識が虚弱だ。

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西武ライオンズは長らく堤義明の「持ち物」だったが、堤は社長にお茶を運ぶ女子社員には、社長室のカーペットに跪いてお辞儀をさせていた。堤義明はシーズンの報告に来た森祇晶監督に「やりたければ、おやんなさい」と言い放って世間の顰蹙を買っている。表面化していないが、今もそういう体質の球団はある。

世の中は変わった、人々の働き方も、意識も変わった、と言われているが、日本人の権力者への「御無理ごもっとも」な体質は変わっていない。特に非正規雇用労働者が社会の底辺に新たな層を形成するに至って、会社に雇用されている人々はさらに企業にしがみつくようになっている。

端的に言えば日本人は「強いものに媚びる」のが大好きな国民で、その体質は今も全く変わっていない。
今回のロシアのウクライナ侵攻は「パックス・アメリカーナ」の最終的な終焉を意味すると思うが、ロシアや中国がアジア近辺で侵略戦争を企図したときに、日本は割と簡単にそれを受け入れるのではないかと思う。
そもそも強いものになびくのは、日本人の性根だ。トランプがプーチン支持を打ち出し、共和党が頭を抱えているが、日本ではトランプ支持派あたりから割と簡単に親ロ派が生まれてくるのではないか。

私はもうそんなに若くはないが、それでもまだかなりの時間がある。私よりもはるかに長い人生を生きる、若者たちは、本当に気の毒だと思う。


2021年山﨑福也、全登板成績

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