私などの世代より上だろうが、「ロシア」「モスクワ」というとアメリカやヨーロッパとはまた別の「郷愁」のようなものを感じる。
関西だけかもしれないが「パルナス」という洋菓子屋があって「パルナスピロシキ、パルナスピロシキ、モスクワのあーじー」とCMソングを流していた。3曲ほどあるが私は全部歌える。

さらに昭和の時代は「歌声喫茶」というのがあって、アコーディオン奏者などがカラオケでなく生伴奏をつけてくれたが、こういう店は「赤旗」愛読者が多くて、最後は「リーんごーの花ほころび」の大合唱になったりした。
そして東京にも大阪にも「ロシア料理の名店」があった。大阪でいえば毎日新聞旧社屋の1階にあった「鶴の巣」。ピロシキとオムライスのランチをよく食べた。

そういう俗な部分はおくとしても、ロシア研究者のかなりの部分は「ロシアファン」になってしまうようだ。プーチンは非道な独裁者だが、ロシアの歴史を紐解けば、そういう独裁者がでてくる文脈は一面理解できる、みたいなことを言う。

佐藤優という外交官上がりの作家はその典型で、ウクライナ侵略が始まる前から「ロシアはウクライナ国内のロシア系の住民を保護するために軍事行動を行う」とロシアの主張そのままのことを言っていた。そして侵略が始まると「プーチンの精神状態は正常で、ロシアの言うことに従わなかったゼレンスキーに責任がある」と言っている。
この人は立花隆なきあとの「知の巨人」の一人だろうが、ロシアや創価学会などには大甘である。よくわからない。

もっと露骨なのが維新の会の鈴木宗男で「ロシアが嫌がることをしたからウクライナは攻め込まれたのだ」と言っている。鈴木宗男はロシア利権とつながっているとされるから、プーチン政権が倒れると困るのだろう。

「ロシアファン」の人たちは、西欧流の「民主主義」「人権第一主義」とは一味違うロシア伝統の「パワーゲーム」に一定の理解を示している。そして、ドナルド・トランプの世界観はプーチンのそれと通じる部分があるから、トランプのやり方に理解を示したりする。

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しかしながら「プーチンのロシア」は、もう則を超えた感がある。「パワーを見せつけて実利を取る」は、力の誇示にとどまるからこそ意味があるので、実際に相手を殴ってしまっては終わりである。
世界はチェチェンやシリアでロシアがやった弱い者いじめを見過ごしたことを後悔している。世界情勢は「ロシアファン」が発する「回りくどい支持の声」に耳を傾けるような段階ではないのだと思う。
ロシアのプーチン体制が崩壊しない限り、世界の混迷は深まり、ピロシキを食べるどころではなくなるだろう。


NOWAR


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