NHKスペシャルのウクライナ侵略の特集は、この戦争を俯瞰的に的確にとらえていると思う。
ロシアのウクライナへの電撃作戦がとん挫し、膠着状態になってロシアの混迷が深まっていること。
ロシア国内で、全く虚偽の情報が政権の手によって流布され、実に63%もの人がそれを信じていること。しかしながら若者や兵士の親などがプーチンの戦争に疑問を抱き始めている。

番組に登場した専門家たちは、悲惨な戦争が行われているが、この戦禍はなかなか収束しない。プーチンはすでに、ウクライナの併合も、ゼレンスキー体制の転覆も半ばあきらめているが、少なくともロシア国内向けに「ロシアは勝った」と体面を繕うことができる状況に持ち来まない限り停戦は実現しない。だから、今後もっと激しい、悲惨な戦闘が行われる可能性があると。
プーチンは3月18日にクリミア併合を記念する大イベントを開き20万人の人々の熱烈な支援の声を浴びた。しかしそれは、プーチンがそういう演出をせざるを得ないほど追い込まれていることを象徴している。

一方、ゼレンスキーは、圧倒的な劣勢の中でキエフなど都市への侵攻を食い止めている。多くの死傷者を出しているが、ロシアにも甚大な損害を与えている。
ゼレンスキーは銃弾や爆薬だけでなく「言論」で、ロシアに打撃を与えている。自由主義圏の国の議会などで演説をして、ロシアを非難し、各国のさらなる支持を訴えている。

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NHKはこうした図式をくっきりと描いている。ウクライナ侵略に関する論評は、こうした事実関係に基づいて行うべきだが、日本のコメンテーターにはそうでない人がいる。

堀江貴文はプーチンの自作自演である大集会の映像を見て、

「国内が不穏な空気になっていたら暗殺されるかもしれないと思うわけ。(危険だと思うなら)地下の防空壕みたいなところに隠れているだけ。安心して、人前に出てこられるのはそれだけみんな支持してくれてる。ロシア国内は全然安泰じゃないか」

とツイートした。その裏側でロシア国内には動揺が広がっているとの報道を否定したわけだ。ちなみに私は19日に北九州で、ホリエモンの始球式を見たが、こんなに不細工な投球フォームは見たことがない。野球好きだと思っていたが、野球の経験はないのだろう。何の関係もないけど。

また杉村太蔵はゼレンスキーが23日に国会でリモート演説することについて

「ロシアっていうのはG7の中で一番日本に近い国ですね。本当に戦争をしてる両国の中で片方の国に加担するっていうのが日本の外交として正しいのか、むしろインドのように、徹底的に中立っていう立場に立つのも必要なんじゃないかなと言うのが僕の考え」

と語った。インドが世界の経済制裁に加担しないのは、中国やパキスタンとの国境紛争に備えるためにロシアから大量に兵器を購入しているからだ。今、経済制裁に加わってロシアとの関係を断つわけにはいかないのだ。「中立を保つ」のではなく、制裁に参加できない事情があるからだ。

自由主義陣営の一員として日本が取るべき態度は、ウクライナのゼレンスキー政権を全面的に支援し、ロシアの侵攻を止めさせたうえで、世界で最も危険な独裁者になったプーチンを排除することだ。少なくとも「プーチンの勝利」は何としても阻止しなければならない。

しかし橋下徹、ホリエモン、杉村太蔵などは、そういう認識はないようだ。80過ぎの鳥越俊太郎はまだしも、これらの人々は「リテラシーの高さ」で世渡りをしているはずだが、どうなっているのかと思う。

一つ言えるのはこの3人は「民主主義」「人権尊重」「言論の自由」などの言葉が肌に合わないのではないかと言うことだ。むしろプーチンやトランプのようなパワーゲームを好む権力者を好む体質を持っているのではないかと思う。

こういう人々も一種の「平和ボケ」と言っても良いのではないか。



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