MLBでは特にそうだが、NPBでも「個人記録」のために、チームが気を遣うという風潮がどんどん薄れているように思う。

昨日は、西武の新外国人バーチ・スミスが7回零封被安打0、1与四球、自責点0ながら96球で降板した。
これで今季、先発投手が5回以上投げて無安打で降板するのは、佐々木朗希の2試合(105球完全試合、102球8回パーフェクト)に続いて3例目となった。
また昨日も言ったが、MLBでも4月7日のダルビッシュ有(ダイヤモンドバックス戦6回0被安打4与四球3奪三振92球)や、4月13日のクレイトン・カーショウ(ツインズ戦7回0被安打0与四球13奪三振80球)と2人の先発投手が、ノーヒットノーランや完全試合を達成することなくマウンドを降りている。

解説者の中には17日、8回パーフェクトで降板した佐々木に対して「こんなすごいチャンスなのに。もう1回投げたくらいで壊れることはない。やらせてやりたかった」と言う声が上がった。
バーチ・スミスの記録も「来日初登板、即、ノーヒットノーラン」となれば間違いなくNPB史上に残る。

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しかしこういう考え方はもう「古い」のだと思う。

こうした例は、今後、どんどん増えてくると思われる。個人の大記録を達成させるために無理をさせれば、選手が故障をしたり、その後のパフォーマンスが低下する恐れがある。
今の一線級投手は、莫大な契約を結んでいる。球団にとっては巨額の資金を支払った「資産」である選手を、ペナントレースと直接関係のない目的で消費し、場合によってはリスクに晒すのは、有益ではないという判断が働くのだ。

少し前までNPBでは「連続試合出場記録」が大記録としてもてはやされていた。古くは衣笠祥雄が、ルー・ゲーリッグが保持する2130試合連続試合出場世界記録を破ったときには、日本中が称賛の嵐となり、国民栄誉賞まで授与された。MLBでもこれをカル・リプケンが更新した時は称賛された。
しかしこの記録は、活躍しなくても球団、指揮官、本人が出場の意思を示せばいつまででも続行が可能だ。そのためにNPBでは金本知憲、鳥谷敬と実力が落ちても、連続試合出場に固執する例が見られるようになった。
MLBではリプケンの記録以降、連続試合記録は意識して続けさせないような配慮がされているようで、どんなスター選手でも数試合は休んでいる。またNPBでも鳥谷以降、大きな記録は生まれていない。明文化されていないが「連続試合出場は、途切れさせたほうが良い」と言う認識が日米でできているように思う。

投手の「ノーヒットノーラン」「パーフェクト」と打者の「連続試合記録」はかなりニュアンスが違うが、達成のためにチームや指揮官が「気を使わなければならない記録」ではある。「誰かが無理をして達成する記録」と言ってもよいかもしれない。

今後、これらの記録は「達成未遂」に終わるケースがたくさん出てくるだろう。


NOWAR


今だったら、初登板・初セーブ

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