自分から維新の代表を辞め、政治家も引退して一タレント弁護士になった橋下徹だが、その腹には「周囲から推されて、しぶしぶ政界復帰」というシナリオがあったのではないか。

だから日本維新や大阪維新と法律顧問の契約をしていたし、丸山穂高など跳ね返り発言をする維新党員に対しては、まるで党首のように𠮟責した。さらに、自分の考え方と違う党員に対しても攻撃の手を緩めなかった。
端的に言えば橋下徹は「維新のオーナー気取り」だったのだろう。

しかしもともと維新と言う政党を立ち上げた松井一郎などにとっては、あたかも今の維新執行部が傀儡のように見えるのはいかにもまずいことだったと思う。本音でいえば「橋下さんはお客さんやったんや」と言いたいのではないか。
維新と言う政党は、これまで政治にあまり関心がなかった「ヤンキー」「やんちゃ」の色が強い人間も引き付けている。だから公私混同やパワハラなどのトラブルも多い。そしてそういう「やんちゃくれ政治家」は橋下徹を個人崇拝することも多かった。

コロナ禍が始まったころは、橋下は維新の応援団を持って任じていたようで、大阪府市の対応をほめちぎっていた。自分が知事在任中に保健所や医療機関の大リストラをやったために、大阪府は全国一の死亡率となったが、それを追及されないためにも「大阪府のコロナ対策、最高」と言わなければならなかったのだろう。

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しかしウクライナ侵略では、ロシアや中国とは良好な関係を築いていた維新としては、強く出られないという弱みがあった。党内に鈴木宗男という「ロシア利権のドン」を抱えていたこともあり、難しい判断を迫られた。
そんな中で、橋下徹は先走って「ウクライナは降伏すべき」と発言した。その後のウクライナの善戦もあって、橋下の発言はかなり厳しいバッシングを受けた。

最近になって日本維新、大阪維新が橋下との法律顧問契約を解除したのは「一緒にされては困る」という思いからだろう。

松井一郎代表は任期限りでの引退を公表している。この人は本当のリアリストではあった。この後は橋下よりも人格的な破綻が少なく、人気もある吉村洋文が中心になっていくのだろう。私は少しだけ期待している。今の吉村のウルトラ右翼のスタンスは、緩和されると思っている。
橋下徹は、松井一郎や吉村洋文と比べても軽率すぎた。

北海道の遊覧船遭難事件では、橋下は船の引き上げ費用を「国会議員も支払うべき」という理解に苦しむ発言をした。これは自らの立場が急速に弱まる中で、橋下が軽いパニックに陥っているからではないかと思う。
松井一郎や吉村洋文を自分の子分だと思っていた橋下は、はしごを外されて窮地に陥っているように思える。維新と決別することは、橋下にとって、特に支持者が多い関西でダメージが大きい。

一人のポピュリスト政治家が、黄昏を迎えているのだと思う。


NOWAR


今だったら、初登板・初セーブ

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