GWは、少しはお客が回復したようだが、NPB12球団の観客動員はコロナ前の7割台で推移している。

3年前のレベルに戻らない理由はいくつかある。
ひとつはまだコロナへの警戒心から、人々の足がスポーツ観戦に向いていないということがあるだろう。お客が戻ってきたと言っても行楽地などの人出も以前ほどではない。

それと同時に、フルでお客を入れてはいるが、応援が規制されていることも大きいのではないか。

私は最近では一度だけ、東京ドームで日本ハムの応援席のチケットを買ってしまって、間違って座ったことがある。
応援席の人々は、ハムの攻撃中は全員が席を立って、リーダーの指示通りに手や体を動かし、声を上げている。全員が一心不乱にそうやっていて、そこに「自分の時間」などないように思えた。
で、相手の攻撃の時は、放心したようになって座っているのだ。
リーダーは「この回は、ぜひ先制したいので、応援よろしくお願いします」とか回の頭にはそういう指示を出す。私などから見れば、これは「野球観戦」ではなくて「応援と言う仕事」をしに来ているように思える。

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応援席には応援目的の人だけが座っているが、球場全体にも応援席の動きに呼応する人がいる。応援席と同じ動きをして、同じ声を上げている。マツダスタジアムなどは応援目的の人が8割くらいを占めている。

そういう人は試合の行われている時間中、応援席と同じように体を動かし、声を上げ続ける。彼らはそれを「応援」だと思っているが、私などは「お遊戯」みたいだと思っている。

自分で金を払っているのに、誰かの指示に従って同じ動きをするというのは、私など気持ち悪いが、「一体感」ができることがうれしくて仕方がない人が一定数いるのだろう。コンサートなどでも同様の人がたくさんいる。そういう楽しみ方が定着しているのだ。

応援が大好きな人は目の前で行われている野球の試合を見ているだけでは、我慢ができない。リーダーの号令のもと、立ち上がって、声を上げ、手を振らないと「野球を見た」気がしないのだ。
だから今のようにCLAP以外にはほとんど何もできない球場には足を運ばない。

そういう人は「野球を見るのが好き」ではなく「野球の試合に合わせてパフォーマンスしている私が好き」なのだと思う。

個人的には応援大好き人間たちがいないのは好ましいと思うが、球団としてはそれでは困る。「今日、お遊戯できます」と発表する日が、近々やって来るのだと思う。

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