2004年の球界再編は、近鉄とオリックスの合併話に端を発した。パではロッテも経営難になり西武との合併も現実的な話になりつつあった。
パ・リーグは4球団になるがこれでは維持できない。そこでセ・リーグと合併し、1リーグ10球団にしてほしい、とパのオーナーたちは言い出した。
本音でいえば、視聴率=放映権料が稼げる「巨人戦」が欲しかったのだ。

この話を聞いた巨人の渡辺恒雄は、実現のために動いた。「ドン」として権力を振り回すのが大好きだったナベツネにとっては腕の振るいどころと言うところだった。
しかしセの他球団は「巨人戦の分け前」が減るわけだから猛反対した。ナベツネは「パの球団と新リーグを作ってもいいんだぜ」と言った。

選手、ファンを無視した権力闘争に怒った選手会が、古田敦也会長以下、ストライキをしたことで、世論が圧倒的に選手会の味方となり、球界再編はついえた。
既に合併交渉が進んでいた近鉄とオリックスは合併したが、楽天が参入してセ・パ両リーグは維持された。

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以後、パ・リーグはマーケティングを強力に推進し、セ・リーグに劣らぬ観客動員を実現した。この時期から「プロ野球」はコンテンツとしては厳しくなったが、ソフトバンクをはじめとする球団が地元密着のリピーター政策を推進し、観客動員を激増させた。

2019年にはNPB史上最高の収益を得るに至った。2004年の球界再編は、日本プロ野球を劇的に変えたのだ。

もしオーナー側の意向がそのまま通って、1リーグ10球団になっていたら、野球中継の衰退ととともに「巨人戦の放映権」をあてにしたビジネスモデルは数年で終わっていただろう。
じり貧になったチームの中には、身売りや合併を考えるところもでたかもしれない。
中には巨人戦に頼らずマーケティングをする球団も出ただろうが、観客動員は伸び悩んだだろう。そもそも12球団から10球団に縮小したのだから、全体のパイも小さくなったはずだ。

その状態で「コロナ禍」に突入していれば、体力的に脆弱なチームはいくつか潰れていたのではないか。ここ2年間、12球団はほぼすべて赤字だったが、親会社のない広島も含め、今の球団は少々の赤字では潰れない財務体質になっている。球界再編以来、しっかり稼いできたからだ。

そういう意味では2004年のプロ野球は絶妙のタイミングで正しい選択をしたと言えるだろう。

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