80歳の逝去はまだ若い気がする。大スキャンダルが起こった時期のコミッショナーだった。
就任早々の2014年には自民党議員によるエキスパンションの提案があったが、既存のオーナーは例によって「既得権益確保」に動き、反応は鈍かった。「新しいことは何もしたくない」という日本球界の悪しき体質だったが、熊崎コミッショナーは素直にこれを受け入れて、消極的な対応。検事上がりだから「体制維持」はお得意だ。
2015年に巨人の笠原将生、福田聡志、松本竜也がかかわる「野球とばく事件」が勃発する。笠原が反社の息がかかった人物と親密になり、高校野球、MLB、巨人戦のとばくを始める。これに福田、松本が引き込まれたわけだ。
巨人はこの3人と契約解除。巨人選手は選手間でのかけマージャンやポーカー賭博をやっていたことも発覚する。
熊崎コミッショナーは、3人を失格処分にし、巨人に制裁金を科したが、それ以外の選手は制裁を科さなかった。

翌年に巨人は高木京介がとばくに関与していたことが明らかになる。これも笠原が引き込んだものだった。球団はこれをコミッショナーに告発。渡邉顧問、白石オーナー、桃井会長が引責辞任。
笠原は名古屋の違法カジノにも出入りしていたが、名古屋のカジノの経営に立浪和義が関与していたとの報道もあった。このころから球団を追放された笠原がつぎつぎとメディアに暴露をし始める。
阪神、西武、中日などもとばく、とばくまがいの金銭の授受があったことが明らかになる。
警察も一連の事件に動き出し、笠原と笠原をとばくに引き入れた反社勢力は執行猶予付きの懲役刑、福田、松本、高木は罰金刑になる。
このうち高木だけは関与が浅く、球団の事情聴取に積極的に協力したことから球界復帰が認められ、今も現役を続けている。高校の先輩、松井秀喜が諄々と説得したのが印象的だった。
野球選手の中にはかけ事が大好きな人がたくさんいる。そもそも日本の国では、ゴルフやマージャンで「金をかけない」方が珍しい。要するに違法とばくは、日本の男社会に染みついているのだ。だからこの事件は対処の仕方を誤れば、野球界の崩壊につながりかねなかったが、熊崎コミッショナーは、数人の追放者を出しただけで収めた。
NPBにとって熊崎勝彦は「恩人」ともいうべきコミッショナーではあろう。
しかし、本来最も重視すべきファンに対する「徹底的な情報開示」「病巣の全摘出」は、しなかった。日本的な裁量で「部分切除」にとどめたと言えるだろう。アメリカではあまり見られないやり方だったかもしれない。
しかし日本球界ではこういう「阿吽の呼吸」を知った為政者がいいのだ。お雇いコミッショナーの役割を十全に果たしたと言えよう。

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巨人はこの3人と契約解除。巨人選手は選手間でのかけマージャンやポーカー賭博をやっていたことも発覚する。
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翌年に巨人は高木京介がとばくに関与していたことが明らかになる。これも笠原が引き込んだものだった。球団はこれをコミッショナーに告発。渡邉顧問、白石オーナー、桃井会長が引責辞任。
笠原は名古屋の違法カジノにも出入りしていたが、名古屋のカジノの経営に立浪和義が関与していたとの報道もあった。このころから球団を追放された笠原がつぎつぎとメディアに暴露をし始める。
阪神、西武、中日などもとばく、とばくまがいの金銭の授受があったことが明らかになる。
警察も一連の事件に動き出し、笠原と笠原をとばくに引き入れた反社勢力は執行猶予付きの懲役刑、福田、松本、高木は罰金刑になる。
このうち高木だけは関与が浅く、球団の事情聴取に積極的に協力したことから球界復帰が認められ、今も現役を続けている。高校の先輩、松井秀喜が諄々と説得したのが印象的だった。
野球選手の中にはかけ事が大好きな人がたくさんいる。そもそも日本の国では、ゴルフやマージャンで「金をかけない」方が珍しい。要するに違法とばくは、日本の男社会に染みついているのだ。だからこの事件は対処の仕方を誤れば、野球界の崩壊につながりかねなかったが、熊崎コミッショナーは、数人の追放者を出しただけで収めた。
NPBにとって熊崎勝彦は「恩人」ともいうべきコミッショナーではあろう。
しかし、本来最も重視すべきファンに対する「徹底的な情報開示」「病巣の全摘出」は、しなかった。日本的な裁量で「部分切除」にとどめたと言えるだろう。アメリカではあまり見られないやり方だったかもしれない。
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