プレジデントオンラインに昨日、アップされた記事が大きな反響を呼んでいる。

Yahoo!の転載には3000以上のコメントが付いたが、その内容を見ていくと、高校野球が抱える問題を世間がどう見ているかがよくわかる。

・力が劣る野球部員は試合に出られなくて当然、何が悪いんだ?「人生の縮図」であり、一般社会に出ればこんなこと、いくらでもあるじゃないか。
スポーツや教育の目的について理解していない人が多いことが分かる。世の中は競争社会かも知れないが、子供は世の中に出る前に、ルールやフェアであることの大事さを教育やスポーツで学ぶ。教育の一環としての高校野球で「実力主義」「勝利至上主義」が横行していいのか?

・俺はずっと試合に出られなかったが、不満は持たなかった。今となってはいい思い出だ。高校野球なんてそんなものだ。他人がとやかく言うことではない。
日本人の多くは不当な目に合っても、屈辱的な仕打ちを受けても、抗議、異議申し立てをすることなく泣き寝入りすることが多い。そしてそれをあとから「忍耐」などと美化する。私にもそういうところがあるが、問題と正面から向き合うことをせず、あいまいに処理してしまう。今の日本はこれだから駄目なんじゃないか?

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・試合には出なかったけど、野球を一生懸命やったことで、一流企業に入ってうまくやっている。試合に出なくても意義はあるのだ。
ヤフコメする人の大半は、文章を最後まで読まない。いい加減な人が多いのだが、記事にも書いた通り、それは「スポーツ」ではなくて「世渡り」だ。野球をやるときに「俺は試合に出なくてもいいから野球で飯を食うぞ」みたいな低い志を持つ人はいない。自分が「野球でうまくいかなかった」ことを認めると惨めになるから、後付けでこう言っているだけだ。

・野球人口減少は少子化が原因であって、試合に出ない野球部員が原因ではない
「野球離れ」については私だけではなく、いろんな人が言い続けているが、なかなか浸透しない。ここ10年、野球競技人口は3割近く減っているが、同世代の人口は5%しか減っていない。
選択肢が増えたと言う一面はあるにしても「野球が選ばれていない」のは事実だ。

そして
・そいつが「試合に出られなくてもいいからこの高校に行く」と言ったんだから、他人がとやかく言うことはない。自己責任なんだから。
今の日本人は何でも「自己責任」と言うが、要するにそういう人は「自分のこと以外は関わりたくない」わけで、この無関心が、あらゆる問題の解決を阻害している。「自己責任論」を振り回す人は、欠の穴の小さいエゴイストで、議論に参加する資格がない。
あらゆる人は、広く問題意識を持ち、他者に惻隠の情を持つべきだろう。




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