那覇市内でタクシーに乗ったときに、ラジオで基地のニュースが流れた。運転手は「なんで辺野古基地問題は私たちを無視して進めるんでしょうかねえ」と言った。

辺野古基地問題とは、宜野湾市にある米海兵隊の普天間飛行場、基地を、名護市の辺野古周辺に移設する是非の話だ。普天間基地は那覇市に隣接した人口の多い都市部の宜野湾市にある基地であり、1995年には沖縄米兵少女暴行事件が起こったのをきっかけに、沖縄県民、市民は基地返還、地位協定を見直しを求めていた。
そこで県北部の名護市辺野古地区への移設が検討され、鳩山由紀夫内閣のときに海兵隊の既存の基地であるキャンプシュワブを拡張することで日米政府間で合意が成立。2013年には仲井眞弘多沖縄県知事も辺野古地区埋め立てを承認した。

しかし沖縄県の民意は終始辺野古基地移設に対して否定的だった。沖縄県のホームページでは
なぜ辺野古移設に反対なのですか?と言う問いに対して
 1 既に異常としか言いようのない過重な基地負担を抱えていること。
 2 辺野古移設に反対する民意があること。
 3 辺野古・大浦湾の豊かな自然環境が破壊されてしまうこと。
 4 辺野古移設では普天間飛行場の一日も早い危険性の除去にはつながらないこと。

を理由として挙げている。

沖縄県は第二次世界大戦で唯一地上戦が行われ、日本兵6.5万人、沖縄県民12.2万人が死亡した。終戦後は米軍によって県の8%、沖縄本島だけなら15%の土地が基地用地として接収された。以後、沖縄は「基地の島」となった。
沖縄経済は、米軍基地に大きく依存してきた。それによって経済復興が成ったと言う一面はあるが、県民は土地を奪われ、自身の歴史、文化を踏みにじられたという意識を強く持っている。
沖縄は明治以降「琉球仕置」によって半ばだまし討ちのように日本国の1県となったが、文化の異質性は大きく、日本では「差別の対象」になっていた。それは戦後も続き、あからさまな就職差別もあった。

辺野古基地の問題は、県民の意向を無視し、日本の中央政府とアメリカの間で頭越しで決められたこともあり、県民の強い反発を招いていた。仲井眞弘多知事の後の二代の知事も「辺野古移設反対」を掲げて当選した。

辺野古基地の問題は、基地移設の妥当性の問題以上に、決定のプロセス、そしていつまでも沖縄に大きな負担を押し付ける日本政府への「県民感情」の問題でもあった。

「座り込み」など辺野古基地への反対運動は、こうした事情を背景に展開されている。運動の参加者には左翼、新左翼の活動家もいるが、同時に思想的背景を持たない一般市民も参加している。広範な市民運動だと言える。

しかし一部右翼、保守勢力はこの運動を「県外のプロ活動家による反政府活動」と決めつけた。さらには中国と日本の関係が悪化すると「中国人が糸を引いている」と言うデマを流布するようになった。
玉城デニーが再選された今回の沖縄知事選挙で、大阪府泉南市議の添田詩織は「沖縄を中国の属国にしたいデニー候補。ウイグル・モンゴル・チベットのように日本民族も強制収容所に入れられ民族浄化(虐殺)されます」とTweetしたが、「相手にダメージを与えられるなら、嘘でも何でも言う」無責任さ、劣悪さは今の極右政治家の特徴だ。

私は毎年沖縄春季キャンプに行く。多くのキャンプ地は米軍基地に隣接している。行くたびに基地負担の実態を目の当たりにする。また沖縄の知人も増えたが、基地問題の重さ、複雑さを実感する。軽々に語れないなと思う。
DeNA二軍キャンプの前に広がる嘉手納基地。

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ひろゆきやホリエモンなど、IT業界で成功しFIREした論客は、まるで神の視点を持っているかのように「天上からご託宣を賜る」的なコメントをする。
ひろゆきは、統一教会の問題などでは、事態の本質を鋭く突いて多くの賛同を得たが、現場を知らなければ語ることができないはずの辺野古基地問題では、知識の浅薄さを露呈し、非難を浴びた。そして有田芳生と一緒に出すはずだった統一教会関連本の出版は取りやめになった。これはかなりの痛手であるはずだ。

ひろゆきは「SNSでの支持者は減っていない」と言っているが、賢人、「論破王」でありたいひろゆきは、数以上に「良識派、まともな知識人」の支持が欲しいはずだ。統一教会問題で行き場をなくした馬鹿なネトウヨがたかってくるのは、迷惑でしかない。
ろくに知りもしない辺野古基地問題で軽率なコメントをしたことについて、ひろゆきはかなり後悔しているだろうと思う。



NOWAR


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