かつて沢村賞は、MVPなどとともに野球記者が選出していたが、1981年、好成績を挙げた巨人の江川卓が選出されず、成績で下回る同僚の西本聖が選出されたことをきっかけとして、選考過程に疑問の声が上がり、プロ野球OBによる選考委員会が設置された。
現在の選考委員は堀内恒夫委員長を筆頭に、平松政次、北別府学、山田久志の4人。村田兆治は今回委員を辞退した。いずれも200勝投手だ。
しかし最年少の北別府学でさえも65歳。あとは全員70歳を超えている。北別府は平成6年まで投げたが、あとは昭和の時代しか知らない野球選手だ。

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そもそも200勝投手を選考委員に並べれば、当然「俺のような投手になれ」という考えで選考をすることになる。
先発救援の分業が進んでも、QSの概念が導入されても、彼らは「今の投手は根性がなくなった」くらいにしか思わない。
野球のOBは「自分たちの後輩が自分が教えたこと以外のことをやり始めるのは、気に入らない」と思っている。「俺を見習えよ」と言いたくて仕方がないのだ。

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こういう人を選考委員にしておくと、昭和の時代とは質的に異なる「投手の活躍」を見落としてしまう。
近年、沢村賞の選考の形骸化が進むのは、今の時代に関心が薄く、問題意識も乏しい「大投手」が先行しているからだ。
それでも堀内恒夫は「QS」と言う概念を持ち込んだ。それは評価できるが「6回以上自責点3」ではなく、「7回以上自責点3」と言う新たな指標にしてしまった。自分たちの価値観を優先したのだ。

沢村賞を「投手最高の栄誉」とするのなら、選考委員を「元投手」ではなく、プロ野球という競技に精通した専門家に委ねるべきだろう。
例えば筑波大の川村卓准教授、セイバーメトリクスに精通した江戸川大学の鳥越規央客員教授、プロ野球界からは工藤公康、山本昌、さらに桑田真澄。筑波大学系が多くなったが、これに加えてメディアから2人程度。江川のときのように偏った評価をしない新聞記者によって選考されるべきではないかと思う。
投手に「根性」や「無理」を求めるような人を委員に選ぶべきではないと思う。



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