近年、経済的に栄えている国の多くは、欧米的な価値観で言えば「まともな国」ではなくなっている。
その代表格が中国で、中国共産党の一党独裁が続き、言論は封圧され、少数民族をジェノサイドと言われるほど弾圧しているが「経済第一主義」で、世界2位の経済大国にのし上がった。
中国を含めたBRICS=ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)と呼ばれる国は、内政面に大きな問題を抱え、民主主義国家とは言えないが、経済的には「新たな大国」として浮上した。

経済的に大きな顔をし始めると次は「国威発揚」を求めたがる。オリンピックやサッカーのワールドカップなどを開催し「まともな国」のような顔をしたがるわけだ。
2008年北京オリンピック、2016年リオデジャネイロオリンピック、2022年北京冬季オリンピック、FIFAワールドカップはもっと露骨で、2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシアと、新興国家が金にあかせて開催権を獲得してきた。

ヤクザの事務所が株式会社を名乗り、町内会に入り、町内の祭りを仕切り始めたと言うことになろうか。

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挙句の果ての「2022年カタール」である。カタールと言うのは本当に国家なのかと思う。人口は260万人だが、国民は30万人だけ。あとは移住者であり、それ以外にも奴隷的な扱いを受ける移民労働者がたくさんいる。カタールは素晴らしく美しい国だが、その美しさは人間扱いされていない移住者の搾取によって成り立っている。LGBTの権利は否定され、人権は軽視され報道の自由もない。

国際社会からの評判はひどく悪いが、とにかく金があって羽振りがいいから拝金主義者が寄ってくる。かのガーシーがこの国を拠点にしているのも、金さえあればなんでも思いのままになるからだ。

今回のカタールワールドカップは、世界的なステイタスを得たいとする為政者たちが、思い切り無理をした結果だ。
しかし会場建設に当たっては数千人もの移民労働者が事故死したと報道されている。また不正や汚職が横行した。

サッカーの宗主国、イギリスのBBCは、開会式を放送しなかった。まともではない国で「国技」ともいえるスポーツの国際大会が行われたことに対し、最大限の抗議の意を示したわけだ。
BBCは日本で言えばNHKに当たるが、NHKは他の民放とともにもろ手を挙げてワールドカップを賛仰している。そもそも日本では、スポーツの大イベントは汚職まみれで行われることが常態化し、すでに感覚がマヒしているのだろう。

私は、カタールと言う酷い国で世界的なスポーツイベントが行われることの責任は、世界の国家、スポーツ界に帰すると考えている。サッカー選手やクラブに「何の責任もない」とは言えないし、サポーターにも関係のない話ではない。

スポーツの世界を見ても、世界は確実におかしくなっている。私など何もできないが、手放しで喜ぶことはしないでおこうと思っている。



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1982・83年松沼博久、全登板成績

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