NPBのFA制度と言うのは、せんじ詰めれば「他球団の有名選手が巨人に入る」ために設けられたものだ。
1993年、中日落合博満の巨人移籍に端を発し、翌年の川口和久、広澤克己、さらに河野博文、清原和博と、主要なFA移籍は巨人が対象になっていた。
その原因はいくつかあった。この間広澤克己さんに話を聞いたが、今年60歳になる広澤さんは「小さいころから巨人ファンだった」と言った。私たちが子供の頃、ベースボールキャップと言えば関西でも「YG」マークしかなかった。おそらくは圧倒的に巨人ファンが多かった。他球団の選手をほとんど知らないこともも多かった。その圧倒的な人気、ブランドが移籍のモチベーションとなった。
さらに巨人は永年「推定年俸」をはるかに上回る年俸を支払っていた。発表される数字は他球団とそれほど変わらなかったが「裏金」が大きかった。昔の巨人は大きな収益を出していたわけではないが、讀賣新聞グループの「広告、新聞部数拡販部門」として大きな影響力があった。巨人と言う会社は「営業部門」をすべて讀賣新聞社に依存しているので、讀賣新聞の判断で金を出すことができたのだ。
そして「巨人の野球人」になることは、引退後の人生で圧倒的なメリットがあった。巨人のコーチになることは野球界でのステイタスが上がったし、解説者やタレントなどの口も「元巨人」であれば非常に有利だった。関根潤三、金田正一、張本勲、松原誠、落合博満など他チームで実績を上げたのちに巨人に入団した選手は「元巨人」の肩書を得て「巨人OB会」のメンバーになることに大きなメリットを感じていたという。
しかしながら、これらのアドバンテージは今ほとんど消えてしまった。今では野球ファンは様々なマークの帽子をかぶっている。NPBだけでなくMLBのキャップも人気だ。そして野球だけでなく他のプロスポーツも人気だ。巨人はその一つの選択肢にすぎない。
そして「裏金問題」以降、巨人と言えども過大な「裏金」を払うことができなくなった。税務署もプロ野球選手の収入を厳しく追いかけるようになった。さらに、讀賣新聞社よりもはるかに売り上げ規模が大きいソフトバンクが、表立って巨額の年俸を支払うようになった。巨人は年俸総額でソフトバンクに負けるようになった。
そして「巨人OB」の肩書も、巨人が「12球団の1つの球団にすぎない」ことになって、色あせている。巨人OBだからと言ってテレビの世界で一生食えるわけではない。
約30年の間に「巨人のアドバンテージ」はほとんどなくなってしまった。ただし今でも金満球団なのは変わらないが、にもかかわらずFA移籍は少なくなり、特に大物の移籍は見られなくなった。
それは原辰徳と言う監督が、昔の巨人監督と同様「選手を使い捨て」する指揮官であることが大きい。別にとる必要もない選手も含めFA選手のコレクションを毎年集めては、少し調子が出ないと試合に出さなくなり「塩漬け」にしてしまう。
今、FA移籍でレギュラーで頑張っているのは丸佳浩だけだ。この状況を見れば、多少大きな契約を得ることができても、幸せな野球人生が送れないと誰しも思うはずだ。

近藤健介を巨人が横取りするのでは、という見方があるが、近藤健介のためにも「やめておけ」と言っておきたい。


1982・83年松沼博久、全登板成績
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さらに巨人は永年「推定年俸」をはるかに上回る年俸を支払っていた。発表される数字は他球団とそれほど変わらなかったが「裏金」が大きかった。昔の巨人は大きな収益を出していたわけではないが、讀賣新聞グループの「広告、新聞部数拡販部門」として大きな影響力があった。巨人と言う会社は「営業部門」をすべて讀賣新聞社に依存しているので、讀賣新聞の判断で金を出すことができたのだ。
そして「巨人の野球人」になることは、引退後の人生で圧倒的なメリットがあった。巨人のコーチになることは野球界でのステイタスが上がったし、解説者やタレントなどの口も「元巨人」であれば非常に有利だった。関根潤三、金田正一、張本勲、松原誠、落合博満など他チームで実績を上げたのちに巨人に入団した選手は「元巨人」の肩書を得て「巨人OB会」のメンバーになることに大きなメリットを感じていたという。
しかしながら、これらのアドバンテージは今ほとんど消えてしまった。今では野球ファンは様々なマークの帽子をかぶっている。NPBだけでなくMLBのキャップも人気だ。そして野球だけでなく他のプロスポーツも人気だ。巨人はその一つの選択肢にすぎない。
そして「裏金問題」以降、巨人と言えども過大な「裏金」を払うことができなくなった。税務署もプロ野球選手の収入を厳しく追いかけるようになった。さらに、讀賣新聞社よりもはるかに売り上げ規模が大きいソフトバンクが、表立って巨額の年俸を支払うようになった。巨人は年俸総額でソフトバンクに負けるようになった。
そして「巨人OB」の肩書も、巨人が「12球団の1つの球団にすぎない」ことになって、色あせている。巨人OBだからと言ってテレビの世界で一生食えるわけではない。
約30年の間に「巨人のアドバンテージ」はほとんどなくなってしまった。ただし今でも金満球団なのは変わらないが、にもかかわらずFA移籍は少なくなり、特に大物の移籍は見られなくなった。
それは原辰徳と言う監督が、昔の巨人監督と同様「選手を使い捨て」する指揮官であることが大きい。別にとる必要もない選手も含めFA選手のコレクションを毎年集めては、少し調子が出ないと試合に出さなくなり「塩漬け」にしてしまう。
今、FA移籍でレギュラーで頑張っているのは丸佳浩だけだ。この状況を見れば、多少大きな契約を得ることができても、幸せな野球人生が送れないと誰しも思うはずだ。

近藤健介を巨人が横取りするのでは、という見方があるが、近藤健介のためにも「やめておけ」と言っておきたい。


1982・83年松沼博久、全登板成績
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コメント
コメント一覧
ホークスの選手に対する金払いが良いのは親会社からの資金提供ではなく、福岡ソフトバンクホークス株式会社の売り上げが巨額だからだと認識していました。
NPBの中ではダントツだったと記憶しています。
2019年の段階では12球団とも利益を出していましたが、2020,2021年は大半が赤字でした。
全球団黒字化は意外でした。
記録のお話も好きです。
私が無知なのでAVGやOPS、BBやK/9といった記号は理解出来るのですが、分からない記号もあり、気になる際にはGoogle検索で調べていますが、それでも分からない記号もあります。
個人記録だけでなく、野球人口の推移記録、NPBの来場者数などにも興味を惹かれます。
>野球人口の推移記録、NPBの来場者数などにも興味を惹かれます。
それも記録ですよね。
福岡ソフトバンクホークスは2021年度が237億円(△1億円)、2019年度が324億円(△20億円)、読売巨人軍が2021年度が152億円(▲20億円)、2019年度が293億円(△13億円)だそうです。
ジャイアンツの赤字は、親会社の調整による結果です。営業部門がなく、お金儲けができない会社ですから、基本的には赤字で、讀賣新聞が補填することで成り立っています。税金対策上、赤字でないとダメなんです。
巨人の上にある讀賣新聞運動事業部としては、収益を上げています。