今年の9月に新庄剛志が、伊藤大海を抑えに起用する意向を示した。
9月8日 J:COM
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去年の写真

以前にも一線級の先発投手が抑えに起用された例はあった。
2007年には開幕に出遅れた巨人のエース、上原浩治がクローザーに転向、32セーブを挙げるも、本人の意向で翌年は先発に復帰する。
上原は2009年にMLBに移籍するが、先発では2勝どまり。2010年からは救援投手に転向し、NPB出身の投手としてはトップクラスの救援成績を挙げた。
2012年には西武の涌井秀章が開幕から不振で二軍降格。再昇格後はクローザーとなり30セーブを挙げる。2013年は先発に戻るも、途中から中継ぎになった。涌井は2014年にロッテに移籍している。
ドラフト指名された選手にインタビューすることがあるが、社会人で25歳くらいになってアマ時代も救援投手だった選手は「救援で」と言うことがあるが、およそ若手投手で「救援でやりたい」と言う選手はまずいない。プロに行くからには「先発で」「綺麗なマウンドで投げたい」と思うものだ。
それはなかなかかなわないが、幸いにして先発ローテーションに残り、数年投げた投手には「俺は先発投手だ」というプライドができる。絶対に口には出さないが「救援投手より格上だ」と言う意識も強い。
特にエース級ともなれば、そのプライドは強烈だ。だから、救援に転向させられたエースは、短期間でチームを出ることが多いのだ。上原のように競争が厳しいMLBに転じて、プライドを吹っ飛ばされるような目に合えば、そんなことも言わなくなるだろうが、NPBで先発として活躍している投手は、救援に転向することを「降格」と感じるし、望まないものだ。
プロ野球を何かの遊びと勘違いしている新庄剛志監督は、エースの伊藤に「抑えもいいじゃん」と軽い気持ちでオファーをして断られたわけだ。
おそらく新庄監督は十数年ぶりにNPBに復帰して、今の野球が「救援投手で持っている」ことに気が付いた。しかし宮西は衰え、クローザーも固定できなかった。「だったらエースの伊藤を持って来ればいいじゃん」と簡単に考えたわけだ。いかにも新庄らしい。
しかし先発投手は、救援転向を嫌がる。第一に救援投手は先発より年俸が低い。転向して年俸が上がらないのは嫌だ。第二に自分で登板の準備ができる先発とは違い、救援はいつ呼ばれるかわからない。自分でコントロールできる部分が少ない。第三に救援投手は「使い捨て」だ。ダメになったらすぐに消えていく。リスクが高い商売なのだ。
総じていうならば「救援投手は先発に比べステイタスが低い」のだ。だから救援転向を嫌がる。
反対に松井祐樹や今回の平良海馬のように「救援から先発に転向」を希望する投手が一定数でてくるのも、その「落差」を物語っている。
この問題は、しっかり考えていくべきだろう。

1982・83年松沼博久、全登板成績
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以前にも一線級の先発投手が抑えに起用された例はあった。
2007年には開幕に出遅れた巨人のエース、上原浩治がクローザーに転向、32セーブを挙げるも、本人の意向で翌年は先発に復帰する。
上原は2009年にMLBに移籍するが、先発では2勝どまり。2010年からは救援投手に転向し、NPB出身の投手としてはトップクラスの救援成績を挙げた。
2012年には西武の涌井秀章が開幕から不振で二軍降格。再昇格後はクローザーとなり30セーブを挙げる。2013年は先発に戻るも、途中から中継ぎになった。涌井は2014年にロッテに移籍している。
ドラフト指名された選手にインタビューすることがあるが、社会人で25歳くらいになってアマ時代も救援投手だった選手は「救援で」と言うことがあるが、およそ若手投手で「救援でやりたい」と言う選手はまずいない。プロに行くからには「先発で」「綺麗なマウンドで投げたい」と思うものだ。
それはなかなかかなわないが、幸いにして先発ローテーションに残り、数年投げた投手には「俺は先発投手だ」というプライドができる。絶対に口には出さないが「救援投手より格上だ」と言う意識も強い。
特にエース級ともなれば、そのプライドは強烈だ。だから、救援に転向させられたエースは、短期間でチームを出ることが多いのだ。上原のように競争が厳しいMLBに転じて、プライドを吹っ飛ばされるような目に合えば、そんなことも言わなくなるだろうが、NPBで先発として活躍している投手は、救援に転向することを「降格」と感じるし、望まないものだ。
プロ野球を何かの遊びと勘違いしている新庄剛志監督は、エースの伊藤に「抑えもいいじゃん」と軽い気持ちでオファーをして断られたわけだ。
おそらく新庄監督は十数年ぶりにNPBに復帰して、今の野球が「救援投手で持っている」ことに気が付いた。しかし宮西は衰え、クローザーも固定できなかった。「だったらエースの伊藤を持って来ればいいじゃん」と簡単に考えたわけだ。いかにも新庄らしい。
しかし先発投手は、救援転向を嫌がる。第一に救援投手は先発より年俸が低い。転向して年俸が上がらないのは嫌だ。第二に自分で登板の準備ができる先発とは違い、救援はいつ呼ばれるかわからない。自分でコントロールできる部分が少ない。第三に救援投手は「使い捨て」だ。ダメになったらすぐに消えていく。リスクが高い商売なのだ。
総じていうならば「救援投手は先発に比べステイタスが低い」のだ。だから救援転向を嫌がる。
反対に松井祐樹や今回の平良海馬のように「救援から先発に転向」を希望する投手が一定数でてくるのも、その「落差」を物語っている。
この問題は、しっかり考えていくべきだろう。

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コメント
コメント一覧
新庄は近代野球に気がついた、しかし全体がまた前時代の発想だからで、先発や主軸バッターと同等かそれ以上な評価(プロは年棒)をして、地位を上げてやれば良いだけじゃないかな
勿論選手には意地はあると思いますが
新庄はそんなに理知的ではないですよ。近代野球って明治時代ですか(笑)
確かにフロントはろくに補強もせずに、選手を放出しましたが、今季、クローザーを固定しなかったのは新庄の責任です。開幕投手の北山をクローザーに回すって、あり得ないでしょう。
救援投手の年俸が上がらないのは、年功給+実力給という今の査定の問題で、MLBでもNPBでもまだ問題解消には至っていません。
恐らく救援投手が球界なりNPBなりに異議申し立てをすべき時が来ているとは思います。選手会が動けばいいのですが。
どちらかといえば弱いチームがリリーフ不足で苦慮の末の結論パターンで
ヤクルト小川や横浜寺原のような感じでしょうか
こういう場合は酷使とは逆に抑えまで回りません・・・の暇人になる場合もありますが
人それぞれではありますね。入ってみなければわからないこともあるでしょうし。
だからってそれを非難するのは当たらない。
守護神と言われるくらいクローザーは難しい、先発より難しいのでは?
ずっとやり続けるには鋼のメンタルが必要だろうし
本人の希望はそりゃ大事にしなきゃいけないがそれを全て聞いてたらチームはやっていけない。
平良でも我慢させていたのだから簡単しゃない
その辺は契約交渉の時に納得出来るよう話し合いだよね。
伊藤大海が本当にクローザーが嫌なのかわからない
適正はあるから監督が使いたくなるのは仕方ないね
その辺は建山や監督との話し合いでしょう
全ての人がおかしな事を言ってないが方向は違う
これを纏めるのは難しい
間に入る建山は大変だな
日本ハムは先発でも中継ぎでも評価はちゃんとしているなら宮西のように長く中継ぎをやってくれるんだろう。
引くて数多なのに残留したわけだしね。
今の時代クローザーに憧れる投手も沢山居ますし、イメージでは先発よりクローザーが貴重
そう簡単に固定出来たらどの球団も苦労しない
纏まらなかったらそこは監督の鶴の一声になる
大海のコメントがジョークなのか本音なのかは本人しかわからない。
個人的にはクローザーの方が良い気がしますね。
北山がそれに向かってくれて中継ぎでも構わないが
昔は先発じゃないと名球会に入らなかったからそれに拘る人も居たが上原でも認められてるのだからホールドポイントも評価されてるよね。
本人の希望を置いておいてゴメンだけど
観てる立場からだと
何処でやりたいかより何処でやるのが一番活躍出来るのか、が大事になってしまうね。