この本は従来の思想に影響されず「身も蓋もない歴史観」で書かれている。必読。

ファンが語る「スポーツの言葉」というのは、基本的に「歴史の言葉」を模している。

「巨人V9時代」「西武黄金期」「ソフトバンク全盛期」、チームが強かった時代を「歴史の時代区分」や「王朝」をイメージする言葉で語るのは、常套だ。「ON」「松阪世代」「ハンカチ世代」「大谷世代」など選手を語る際も「世代」など歴史の積み重なりをイメージさせる言葉を使う。
遥か昔に野球をしていた野村克也の言葉は、今も大事に語り継がれ、多くの書籍になっている。

そして野村克也の書籍を、多くの経営者が購入している。そしてあたかも「歴史上の偉人に学ぶ」かのような姿勢で読み込んでいる。

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野球だけでなく、またスポーツだけでなく、政治、経済すべての事象で、人は「過去」「歴史」にしか学ぶことができない。未来を予測するためにも、今後の進路を決めるためにも「歴史」を知ることが最重要だ。

経済学者にして保守の思想的支柱だった西部邁は「教養とは歴史を学ぶことである」と言い切ったが、過去に学ぶことなく将来の展望もできないし、何かを評価したり、論じることもできないのだ。

2022年は明らかに歴史の転換点にあった。新型コロナのパンデミックが収束の兆しが見えない中で、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。アメリカなど世界中で人々の分断が起こり、民主主義を軽視する政治家が各地で権力を握りつつある。

タモリが「新年は新しい戦前になるんじゃないでしょうかね」と言ったのは、まさに至言で、歴史的な教養のある人ならみんながそう思っている。
しかし、今、極端な行動を起こそうと思っている人は、歴史を学ばず、自らの周囲の限られた情報は、自分の野心、さらには「こうあるべきだ」という短絡的な主義主張で事を起こそうとしている。
陰謀論者と言うのは基本的に「歴史に学ぶ」のではなく「かくあらまほし」という歴史観で動いている。例えば思想的に近しい人間は何の証拠もなく「全部つながって陰謀を企てている」と短絡的に思い込み、現実とは全く異なる世界観を勝手に作って拡散する。そして教養のない人々はそれを簡単に信じる。そうした虚報、デマが社会不安につながるのだ。

歴史的に見ても「陰謀論」は、社会不安を起こしたい人間が意図的に拡散させる。この間の台湾の統一地方選挙で、崔永文率いる与党が負けたのは、中国が大量に「アメリカが台湾の半導体工場を爆破」などと言うフェイクニュースを拡散し、民衆を不安に陥れたことが大きかったとされる。

我々はそういう時代に生きている。ネット上に浮遊する様々な情報の中から、フェイクとファクトを見分けて自分たちで判断しなければならない。
そのよすがとなるのは「歴史的な教養」だ。様々な知見のもとになるのは「歴史」なのだ。2023年、自戒を込めてそう思う。



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1960~62年柿本実、全登板成績

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