ダルビッシュ有は、NPBでぶいぶい言わせていた時とどう変わったのか。昨年も1球ずつ追いかけていたので、データがある。この比較をしてみたい。
昨年一番の投球は、103球で阪神を4安打完封した6月1日の登板だと思うが、これに8月12日のソフトバンク戦、そしてMLB公式戦3戦を比較した。いろいろ見えてくる。

Dar-NPBMLB20120421




MLB3試合で17.2回を投げてすでに313球。9回あたり160球弱。これでは完投は覚束ない。平均球速は、4月9日が最速だが、これは速球の比率が多かったからだ。ただし最高速を見ると、ダルはここ2試合コントロールを優先して、速球をややセーブしているかもしれない。

投球数に占めるストライクの割合。NPB時代とストライク、ボールの比率が逆転している。また、ストライクの内訳をみると、MLBの打者はなかなか空振りしてくれないこともわかる。打者の質の差だろう。

被安打と凡打の球種。4/9のシアトル・マリナーズ=SEAの各打者はダルビッシュの4シームに照準を絞って打っていたことが解る。配球が直球系に偏っていたのだ。このあたりナポリとのコミュニケーション不足があったのかもしれない。このあとの2試合は被安打、凡打ともに球種が散らばっている。NPB時代の2試合を見てもわかるが、ダルは多彩な球種を使って打ち取る投手だ。このあたり、修正できたようだ。

1回当り球数と1人当り球数。安打や四球を出しているから1回当りの投球数が増えるのは当然だが、前回登板では1人当りの投球数が急増している。デトロイト・タイガース=DETの各打者がじっくり見ていたからだ。ストライクの見逃しが多かったことでもそれがわかるが、ダル自身も慎重になりすぎていた。球数の面では、前回登板が最悪だった。6.1回で121球はダルがいくら「もっと投げられる」といっても、多すぎる。

被打率はやはり左の方が高い。NPB時代からそういう傾向があった。MLBでは打線の6~7人は左かスイッチヒッターだ。中軸は特にそうだ。このこと自体はあまり気にする必要はないと思うが。

各打者の初球ストライク率、NPBではほぼ60%をキープしていたが、MLBでは40%台。これは、打者との戦いを優位に導くためには改善する必要があるだろう。

最下段は、各試合の球種の内訳。NPB時代は6~7種類の球種を使っていたのが、MLBではほぼ4種類。捕手が「覚えられない」と言っていたのは冗談ではなかったようだ。前述のとおり初登板では4シーム主体だったが、ここ2試合は多彩な球種を使っている。しかし2シームは投げるのをやめている。原因はわからない。

ナポリがスライダーを投げさせたがるのに対し、トレアルバはカッターを使っていた。カーブの比率も高まっている。緩急を使うべきだ、という判断があるのかもしれない。しかし、チェンジアップは投げていない。

こうした球種の使い分けは、ダルビッシュの問題なのか、チームの方針なのかはわからないが、多彩な球種を活かしつつあることが、成績向上に結び付いているのは間違いないだろう。

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