元オリックスの西浦颯大が巨人の「2000スイング」についての記事について、コメント欄で、いろいろいただいた。もう少し「何が問題か」について考えたい。
1.練習を「量」で評価すること

2000スイングと言うのは、一般的に非常に多い数だ。ハードなトレーニングをしたと言うことにはなるだろう。日本野球は「努力」を「数量」で評価してきた。「1000本ノック」「ダッシュ100本」「10㎞走」「15分走」。多くの練習をこなしたり、負荷をかけたりすることが、良いとされる。また長時間練習することも「熱心」で「努力家だ」と評価される。

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2.個々の選手の個人差を考えずに練習を科すこと

選手全員に「グラウンド20週」とか、「素振り1000回」とか「球場から学校までランニング」とか一律の練習を科すこともよくあった。これは「どんな選手でも、どんな状況でも、練習はやったらやっただけプラスになる」という信仰がある。

3.練習を指導者が「マウントの道具」にすること

選手に「何が何でも言うことを聞かせる」ことが必要だと考えている指導者は、きつめの練習を選手に科して、選手がそれに従うと「指導力を発揮」したと思うことが多い。ミスをした選手、態度が良くない選手に「罰走」などの予定外の練習を科すことも「指導力」だと思っている。
しかしそれは、指導者と選手の「上下関係」を確認する「マウント行為」になっている。

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別に2000スイングそのものに大きな問題があるわけではない。キャンプ期間中にどれだけバットを振り込むかで、シーズンの成績が変わってくるとは多くの打者が言うことだ。長距離を走り込むことで、下半身を強化するのは多くの投手が実施している。
問題はその練習が自分の意志でやったのか、やらされたのか、だ。

大事なことは、個々の選手が「自分の意志で、目的意識をもって、自分の肉体に合った」練習を選択することだ。
「チームの方針だから」「指導者が言うから」「いうことを聞くと怒られないから」「他の選手もやっているから」という他律的な動機で練習を行うのは、練習効率を下げる可能性があるし、故障のリスクも高い。

また「何も考えずにハードなトレーニングをする」ことを続けていると、ハードワークそのものが自己目的化する。そうなった人間は「根性がついた」というが、少なくともスポーツとは無関係だ。

改めて確認しておきたい。



NOWAR


1960~62年柿本実、全登板成績

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