NPBとMLBの違いでもあるのだが,NPBのファームの選手と、マイナーリーガーは、境遇も考え方も全く異なっている。
日本の選手は、11月の支配下ドラフトか育成ドラフトで指名されて翌年2月、春季キャンプ時に入団する。入団した選手は、原則として球団の寮に入寮し、多くは寮の目の前にある二軍球場を本拠とする二軍戦に出場する。この点は支配下も育成も全く差はない。ただ育成契約の選手の中には、独立リーグのチームに派遣されることもある。

IMG_6548


アメリカの選手は、6月のアマチュアドラフトで指名される。入団を受諾すれば即入団する。ラーズ・ヌートバーも6月に指名され、その年のうちにマイナーの試合に出ている。日本人選手のようにいきなり「メジャー契約」で入る選手は例外的で、ほとんどがマイナー契約で入団。選手は、それぞれマイナー各レベルの球団に派遣される。マイナーリーグチームの内、一番下のルーキーリーグ球団は、球団直営だが、A以上の球団は、メジャー球団とは「アフィリエイト(提携)」関係にある別の球団であり、ユニフォームも異なっている。寮のようなものはなく、自分たちで本拠地の近くに家を借りて住む。友人や同僚選手と一緒に住むことも多い。
アメリカではドラフト以外に「アマチュアFA」で入ってくる選手もいる。ドミニカ共和国など外国の選手はすべて「アマチュアFA」で入団する。

日本の選手は、年俸を支給される。寮に入っている間は栄養バランスの取れた寮の食事を摂り、寮長など寮の職員が選手の生活、健康管理を行っている。寮費は年俸から差し引かれるが、安価だ。

アメリカの選手は200万円から400万円の年俸で契約しているが、それ以外には遠征時のミールクーポンなどがある程度。生活、健康管理はすべて選手個人で行うことになる。

日本の選手は、コーチがプログラムした練習をこなし、コーチの指導でプレースタイルを固めていく。コーチは選手の身体をきめ細かくチェックし、アドバイスや指導を日常的に行う。

アメリカのマイナーチームにもコーチはいるが、原則として選手が聞いてこない限り、教えない。コーチの仕事は有望選手の情報を上に伝えることと、怪我の予防程度。練習メニューはあるが、量的にも時間的にも少なく、残りの時間は選手が自分で考えて練習を行う。

IMG_3509


日本では一軍経験のない二軍選手が移籍することはまずない。またシーズン中に契約解除されることもまずない。

アメリカではマイナーリーガーもどんどん移籍する。またファームでくすぶっている選手は「ルール5ドラフト」で移籍することもある。新しい選手が入ってくると、シーズン中にFAになったり、解雇されることも頻繁にある。

境遇の違いは非常に大きい。日本の選手が「教育」されて成長するのに対し、アメリカの選手は「競争」に勝ってのし上がっていく。

日本の選手が、アメリカでドラフト指名されたり、アマチュアFAでマイナー球団に入団するケースは結構あるが、日本育ちの選手はほぼすべてマイナー選手で終わっている。
これは、日本人選手は「上の言うことを聞き」「指導されて」野球をやってきたからだ。猛烈な競争環境であるマイナーリーグに放り込まれ、生存競争に打ち勝つ選手はほとんどいない。

こうした日米の「環境の差」は、想像以上に大きいと言えよう・



私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!



NOWAR


1960~62年柿本実、全登板成績