昨年7月8日の安倍晋三の暗殺は、日本の現代史に刻まれる深刻な事件だった。
文春砲は山上徹也以外の第三者による射殺の可能性に言及しているが、その可能性は極めて低いだろう。ただ、警察や政権が隠したいことがあるのなら、どんどん暴いてほしい。

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これは事件の翌日、家人が通りかかってスマホで撮影したものだ。
近鉄大和西大寺の北側は、私にとっては子供のころから通いなれた場所だった。ミスター・ドーナッツもこの付近にある店で初めて食べた。
手前のビルと、近鉄百貨店が入るビルとの間には、ガードレールが入り組んで複雑な状態にあった。安倍晋三はそのなかほどの中洲のような場所に立って演説をしていて狙撃されたのだ。

この跡地をどうするのか、狙撃の記憶を忘れないために、記念碑的なものを立てるのか、なども検討されたが、往来の真ん中でもあり、何かモニュメントを設けるのは現実に即さない。

また、周辺に惨劇の後を記録するパネルなどを設けることも検討されたが、これも却下された。結局、この事件はあまりにも忌まわしく、人々の記憶に深く刻まれてしまったのだから、ことさらに「何かを残す」必要を感じなかったのだろう。

今朝、西大寺駅を通ると工事が始まっていた。

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ガードレールもすべて撤去して、跡形もなくするのだと言う。近くに掲示板ができるかどうかは知らないが、大げさなことはしないだろう。

鈴木エイトの本によると、安倍晋三は自らの「業績」として、北朝鮮の拉致被害者を連れ帰ることを画策し、統一教会の韓鶴子総裁に接近し、北朝鮮に議員団を送る話を進めていたと言う。韓国で開催された旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)」のWeb集会に約5分に及ぶビデオメッセージを寄せたのは、その方向に一歩踏み出した重要なアクションだったと言う。

山上徹也がそのことを認識していたかどうかはわからないが、結果的に安倍の「その一歩」が命取りになったのだ。

安倍晋三は、宗教勢力としては微々たるものである統一教会に大きな幻想を抱いて歩み寄り、凶弾に斃れた。安倍晋三の業績には賛否あるが、彼の長期政権がなし得たことよりも、ただ一事「カルト教団に良心を売り渡した宰相」として記憶されることになったことこそ、悲劇ではなかったかと思う。


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1960~62年柿本実、全登板成績