男子高校野球の競技人口の推移を改めてグラフにした。
1983年からの推移を硬式、軟式ともに示す。

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高校野球の部員数がピークの17万人を超えたのは2014年のことだ。意外なことにほんの8年前のことなのだ。はっきり下落したのは2017年のことだ。

この背景には、小中学生の野球競技人口が、2010年を境に急速に減少したことがある。それがタイムラグをおいてこの時期から顕在化したのだと言うことになる。

その背景に何があるのか?
一つは、2005年から、地上波でのプロ野球中継が激減して「テレビで野球を見る層が消えた」ことがある。親がそうだから子供もそうなっていく。

さらに、並行して「スポーツの選択肢」が増えた。BSCSなどでは、野球だけでなく様々なスポーツの試合が紹介されるようになった。サッカーだけでなく、バスケットボール、卓球、水泳、さらにはダンスやボルダリングなどの新しいスポーツも加わって、野球は「選択肢の一つ」になった。

そしてコロナ禍で、高校生以下の活動が大幅に停止され「スポーツ部活をする子供」が決定的に減少した。

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コロナ禍によって富裕層はむしろ資産が増えたが、元々格差の下層にいた層はさらに困窮した。そんな中で「金がかかる野球」は選択肢から外れていった。

結局、経済力があって野球がガチで好きな子供だけが野球をして、ライトな層はどんどん野球から剥がれ落ちていく現象に拍車がかかっているのだ。

軟式野球はさらに激しく、19,915人をピークとして、昨年は7,820人だった。今言った通り「ライトな野球層」が減少していることと関連があるだろう。

「甲子園に行くほど熱心ではないが、野球を楽しみたい」という層がいなくなったことで、軟式野球は激減しているのだろう。

2018年に「高校野球200年構想」が発表されたが、皮肉なことにそれ以降、すさまじい勢いで高校野球競技人口は減っている。

ほとんど何もしていないのだから、当然ではあるが。



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1960~62年柿本実、全登板成績