野球のことばかり14年間も毎日書き続けている私が言うのもなんだが、このところのテレビのニュースショーは全部「プロ野球ニュース」になったかのようである。
関西では「物事に打ち込みすぎる」ことを「腹下るほどやる」と言った。1905年生まれのうちの祖父は箕面の旅館に婿養子に入ったが音楽好きで「今度来た婿は、腹くだるほど琵琶（バイオリンのことだ）を弾く」と言われたが、まさに今のテレビは「腹下るほど」野球のことをやっている。
日本の試合経過は、イニングごとに丁寧に追いかける。投打の主要な動きも丁寧に。ヌートバーも「ペッパーグラインダー」も欠かさず紹介する。ダルビッシュや大谷翔平の投球や表情も。最近は地味な近藤健介や、吉田正尚にもスポットが当たっている。
それだけでは尺が持たないので、お決まりの「選手のプライベート」も話題にする。ヌートバーの母親の久美子さんはもはや有名人だ。近藤健介が「普通入試で横浜にはいったこと」も詳細に報じられた。
ダルビッシュや大谷翔平はプライベートは公開していない。触れると出禁になるからテレビはふれないが、いろいろ探した挙句に、2012年に大谷翔平が日本ハムに入った際に、大渕隆さんなどが作成した「企画書」まで引っ張り出して話題にしていた。
今、丸の内Oazoのスタバにいるが、周囲のサラリーマンも「大谷が」「ダルビッシュが」「あのセーフティバントが」と言っている。
世の中はWBCの話題で持ちきりだ。それは素晴らしいことではあるが、テレビは21日にWBCが終わると、日本選手が帰国したあたりで一気に無関心になるはずだ。
いまのところ、日本中が日本が優勝するものと信じて疑わないが、MLBの一線級が顔を並べるアメリカ、プエルトリコ、ベネズエラなどに、このところ日本は勝ったことがない。
アメリカに行っていきなり敗戦することも普通にあるのだ。
食傷気味な過熱報道は「野球人気復活」とは「似て非なるもの」であることを、肝に命じなければならない。そんな簡単な話ではないのだ。
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今、丸の内Oazoのスタバにいるが、周囲のサラリーマンも「大谷が」「ダルビッシュが」「あのセーフティバントが」と言っている。
世の中はWBCの話題で持ちきりだ。それは素晴らしいことではあるが、テレビは21日にWBCが終わると、日本選手が帰国したあたりで一気に無関心になるはずだ。
いまのところ、日本中が日本が優勝するものと信じて疑わないが、MLBの一線級が顔を並べるアメリカ、プエルトリコ、ベネズエラなどに、このところ日本は勝ったことがない。
アメリカに行っていきなり敗戦することも普通にあるのだ。
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コメント
コメント一覧
「日本の野球の発展のためにはこのWBCはアメリカに渡って勝負しないといけない」
みたいなようなことを悲壮、真剣に語っていました。
ファンは大騒ぎして喜んで観てますが当事者はいつだって大変ですね。でも今大会は日本の球児たちに夢と希望をもたらしていると信じたいですね。
ゴールデンタイムになると野球中継にチャンネルを回して、スター選手の活躍を楽しむ。で、翌日は皆がその試合とスター選手達の話題で持ちきりとなる。昭和時代を知る人には馴染みのあるサイクルでしょうから。
奇しくもイニシャルが同じですが、大谷、ヌートバーは令和のONの役割になっていると思います。
新聞、TVも勝手を知ったる商売のやり方なので準備は万端。稼げる内に稼いでおきたいとタップリ時間を割いているのでしょう。日本の試合は19時に固定で、準決勝がが21日(火)の春分の日の早朝なのもTV側の働きかけでしょう。NPBとメディアの力を使って日本での商売に特化した結果だと思いますね。
当然ながら、他のプロ競技やコンテンツが豊富な現代では、大会終了後のNPBがかつての巨人戦の様な位置づけになる事はあり得ませんから、広尾さんの言う通り一過性でしょう。
野球界の抱えた諸問題がこのフィーバーで改善に向かうのなら良いですけど、正直、はしゃぐだけで解決が先送りになってしまう事の方が多かった。日本のメディアの害悪は大きいですね。
アメリカでの試合はオマケみたいなものかも
まあ準決勝進出でホッとしました
久しぶりに決勝まで行って欲しいですね
＞世界中の国が本腰を入れ出した第3回から韓国は予選を突破出来なくなりましたね
の回答は？
もちろん、今回のWBCのようなテンションではなかったと思いますが、今よりもずっと野球は「共通言語」だった気がします。
球場は変わらずというか昔より、沢山人が入ってますが、
一方で野球に全く関心がない人、そもそもルールを知らない人、本当に増えましたよね。広尾さんや進歩的な考えの関係者が、そうした状況に危機感を感じておられるのも当然だと思います。