過去50年のNPBとMLBの犠打数の推移を10年ごとに表にした。
SH/Gは1試合当たりの犠打数。

SHGNPBMLB


日本では犠打数は増えも減りもせず推移している。犠打数の増減に影響があるのは「投打のバランス」だ。打高に振れれば犠打数は減り、投高に振れれば犠打数は増える。
2012年のこの数字が大きいのは、前年に反発係数が非常に低い「統一球」が導入され、極端な投高になったからだ。安打や本塁打で決める可能性が下がったことで「送りバント」が増えた。
昨年は、村上宗隆の打棒が突出していたが、どちらかと言えば投高だったが、それほど犠打数は増えなかった。

MLBではもともと犠打はNPBより少なかったが、ここ10年で激減し「絶滅危惧種」になりつつある。「フライボール革命」によって本塁打を狙う選手が増えたこともあるが、セイバーメトリクスが普及して以降「犠打は非効率」という観念が定着したことも大きい。

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日本では「犠打職人」が今も各球団にいる。春季キャンプでも練習しているのをよく見るが、必要に応じて育成しているからだ。ただし高校時代の「犠打の名手」がプロに行くことはほとんどない。ドラフトにかかるのはほとんどが高校大学の主力級打者で、学生時代は犠打をすることはあまりなかった。プロに入ってから「犠打職人」になるのだ。
ただ、プロ野球では高校野球のように「早い回からの犠打」「4番打者の犠打」はあり得ない。プロとアマの犠打は「別の文化」と考えるべきだと思う。

MLBでは犠打はサインプレーではなく、打者の意志で行うことが多い。またセーフティバントが結果的に送りバントになることも多い。「犠打の文化」は廃れている。

セイバーメトリクスでは平均的な打者9人のチームが無死一塁から強硬策を選択した場合の得点期待値は0.45点、送りバントを選択した場合は0.37点とされる。

統計学的には犠牲バントが有効なのは
「先取点をとりたいとき」に
・対戦する投手がほとんど走者を出さない好投手で
・打者の犠打の技術が高い時
・後続打者の長打力がない時
・一塁走者の走力が高い時

であるとされる。

NPBではこの条件に沿って犠打が選択されているが、MLBはその前提となる「犠打がうまい打者」が少ないし、犠打というSTATSの評価が低い=犠打ではお金にならない、から犠打が選択されないと言う現実があると言えよう。

こういう議論をしたいんですよね。「犠打が面白いか、魅力的か」なんてどうでもいいと思う。


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1960~62年柿本実、全登板成績