この話、何度も書いてきているけども、新しい読者が増えているので、改めて書かざるを得ない。
コロナ禍の3年間は苦しい日々ではあったけど、野球観戦に関しては「天国」みたいだった。

なんたって「応援」がなかったのだから。落ち着いて試合を観戦することができたし、グラブでボールを捕球する音、打球音、選手の掛け声などが聞こえたものだ。
私が感動したのは、控え選手が打席に立つと、ベンチのレギュラークラスが「〇〇さん、いいファウル」などと励ましの声を送っていたことだ。そういう声も、好球を打ち損なって「ああっ」と挙げる声も、みんな聞くことができた。
ファウルの音が、フェアゾーンに飛ぶ打球音とは違うことも、聞き分けることができた。

「コロナが明けたら、こういう音はみんな聞こえなくなる」ということを承知したうえで「期間限定」の「野球の楽しみ」ではあった。
私は1970年代からプロ野球を見てきたが、昔のパ・リーグはみんなそうだった。その分、ヤジも聞こえたが。

これも以前に書いたが、今の「民族の祭典」のような応援団風景は、NPB球団が意図的に作ったものだ。私設応援団を実質的に管理下に置いて、応援の仕方も応援グッズも球団が承認したものだ。私設というが、応援団はNPB球団の「公認」なのだ。私は応援団をこういう風に再編成した球団の元事業部長と交流があるが「応援をリピーターを作ることができるコンテンツにしようとした」と語っていた。

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こういう体制になってたかだか20年だが、この間にプロ野球の観客数は大幅に増加した。観客動員を実数発表するようになった2005年の平均観客動員数は23,551人、これがコロナ直前の2019年には31%増の30,928人になっている。
私はコロナ禍でのプロ野球のダメージについて、西武とDeNAの事業部長に取材したが、球団側は深刻だったとし、コロナが明ければ「応援によるマーケティングを強化する」と言っていた。

もうお手上げなのはわかっているのだ。いくら「音がうるさくて試合に集中できない」と言っても、そんなマイナーな声は彼らの耳には入らない。こちらが一方的に我慢する以外に方策はないのだ。

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しかし「週刊ベースボール」などの専門誌を購入し「プロ野球ニュース」のような番組を見て選手や作戦、技術について語ってきたような「野球ファン」は今もたくさんいて、応援団をうっとおしく思っているのも事実なのだ。
少数の「野球ファン」はしぶしぶ譲歩しているが、「応援団」中心のファンは、何の配慮もしていない。

そもそも、最近入ってきた応援中心のお客の多くは、そういう「野球ファン」の存在さえ眼中にないはずだ。「野球の応援」とは「大声で歌ってお遊戯をすること」だと思い込んでいる。

「野球ファン」は、白人によって領地を追い払われ、逃げ場を失っていくインディアン(今は「先住民族」というが)のようなものだ。「負け犬の遠吠え」なのは承知でモノ申している。

でも、球団の事業関係者も、いつまでも「応援団中心のマーケティング」が続くとは思っていない。単純なお遊戯では長続きしない。そもそも飽きっぽい連中でもあるし。
だからエスコンフィールドや最近改装したベルーナドームでは、新たな観戦スタイルを提案している。
そういう時代になっていくとは思う。「おごれる応援団、久しからず」だ。


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