栗山英樹が日本ハム監督に就任したときに、こういうブログを書いた。もう12年も前だが。元はライブドアブログになる前に書いた。栗山英樹は野球人か、TV人か|野球史
私は新庄剛志のときと同様、栗山英樹が日ハム監督に就任したときも疑問を呈した。ま、新庄と違いその資質にまで「?」だと思ったわけではないが。

栗山日ハムは1年目は吉川光夫、陽岱鋼、糸井嘉男らの活躍で優勝したが、翌年最下位。以後曲折があったものの10年のキャリアを重ね684勝を挙げた。

そのキャリアがあったから、WBC侍ジャパンの監督で十全の結果を残すことができたのではないか?

確かにその前の侍ジャパン監督は、稲葉篤紀、小久保裕紀と監督経験のない選手上がりが勤めた。しかし2人ともに現役引退から時間が短いうえに、日本野球の現場に近かった。代表監督は、NPB監督は異なる動きが求められる難しい仕事だから、こういう「事情が分かった若手中堅指導者」に任せる人事はまだわかる。

なぜ、メディアは栗山英樹の後任に、イチローや松井秀喜の名前を挙げるのか?イチローは2001年、松井秀喜は2003年にMLBに挑戦して以降、NPBとは一切係わりがないのだ。その点では、新庄剛志と何ら変わりがない。
侍ジャパン監督にあって、NPB監督にない仕事はたくさんあるが、その最大のものは「スカウティング」だ。NPBやMLBのチームから、これは、という選手を招集しなければならない。場合によってはNPB監督に頭を下げなければならないし、MLBならばアポを取って選手に会いに行かなければならない。

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栗山、稲葉、小久保という3代の監督は、いずれも「中量級」の野球人であり、フットワークが軽かった。確かにそれ以前は長嶋茂雄、王貞治、星野仙一、山本浩二、原辰徳と「重量級」「御大タイプ」だったが、今の侍ジャパンの監督の機能は変わったのだ。

イチローや松井秀喜が、格下のNPB監督に頭を下げて、選手を貰いにいったりできるか?MLBの本拠地球場まで行って大谷翔平や吉田正尚に作り笑いを浮かべて「元気そうだね」とか言えるか?考えたってわかると思うのだが。

「でも、イチローや松井秀喜がWBCの監督なんて、夢があるじゃん?」というかもしれないが、監督業に必要なのは「実質」であって「夢」でも「華」でもない。私は何がいいのか全く分からないが。
すでに一生食うに困ることのない大金持ちの2人が、指導者になる気も、日本球界に関与する気もないのは、明らかだ。50歳近くになって節を曲げる根拠はどこにもないだろう。

万が一、二人が引き受けるとすれば、栗山英樹クラスを大番頭のヘッドコーチでつけなければならなくなる。意味ないでしょう。

侍ジャパン監督に必要な資質は「実務能力」だ。イチローや松井秀喜にとっては、名前が上がるだけでも迷惑だろう。

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