楽天の身売り話はちょっとバズったようだが、この手の話は今後、たくさん出てくるはずだ。
NPBはコロナ明けで観客がコロナ前の9割程度まで回復している。順調にいけば、コロナ前の水準までは戻ってくるだろう。WBCという「特需」もあって、お客は少しは増えるのではないかと思われる。

しかしながら、10年と言うスパンで考えれば、ここ数年でNPBの既存ビジネスはピークになる可能性が高い。

今のNPBのビジネスは「応援団」をコアとする既存顧客に対して「ファンクラブ」を中心に、徹底的な「リピート対策」を行うと言うものだ。
リピーターに向けてのマーケティングは「釣った魚にエサをやる」ようなもので、効率が良くやりやすい。釣った魚はたくさん餌を食って丸々太る=たくさんお金を使う、ことになる。
12球団ともに、このビジネスモデルでやってきた。

IMG_9257


しかしこの手のマーケティングは必ず限界が来る。顧客は必ず高齢化し、試合に足が向かなくなったり、可処分所得が減ったりする。また同じパターンを続けるうちに「マンネリ」になる。
「私は応援団を20年続けています」みたいな人がちょっとしたニュースになるのは、継続的にファンであり続ける人が少ないからだ。

その対策として、女性、子供など「新しい顧客」に向けたキャンペーンを始めることになるが、新規顧客を獲得するのは容易ではない。

また、NPB球団は、球団本拠地以外の土地では、テリトリーの設定があるためにマーケティングや営業活動ができない。

この状態が何十年も続いたために、NPB球団がない地方では、野球は「マイナースポーツ」になりつつある。全国に60のJリーグクラブがあり、その下にもJFLの15クラブと、全国に75ものプロ、セミプロクラブを持つサッカーとの差は地方で顕著になりつつある。

「保護地区」の条項を外して、どこででも集客や普及活動ができるようにするのは、必須だろう。

さらに言えば、野球の競技人口は今後、急速に減少する。WBC特需があったとしても、長期的に見て「野球をする子ども」の激減は避けられない。競技人口が減り、地上波放送での放映がなくなれば、当然のこととして「野球ファン」も減少する。

今のように年商100~300億、顧客150~250万人と言う「プロ野球のビジネスモデル」は、今後、成立が難しくなる。

MLBは30年前にそのことに気が付き、エキスパンションをするとともに様々なマネタイズの方法を案出し「価値の最大化」を進めてきた。

NPBの経営陣の本音は「わしが定年になって退職金を無事受け取れるまで、何とかプロ野球がこのままでいてほしい」なのだ。本当の経営者がいない状況で、延々とこう言う状況が続いている。
端的に言えば「腐臭」が漂っている。この匂いに気が付くのは、いつになるのだろうか?

IMG_8737


0609


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

好評発売中!



NOWAR


年度別チーム第1号本塁打は俺だ! まとめリンク