プロ野球12球団はすべて「株式会社」だ。そして特別のビジネスモデルが存在した。
その根拠となるのが、1954年国税庁が出した
職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について
と言う通達だ。これによって、プロ野球球団の親会社が球団に出した「当該事業年度において生じた欠損金」の穴埋めは「広告宣伝費の性質を有するもの」とされ、税制上の優遇策を受けることができるようになった。
プロ野球チームが赤字になっても存続できたのは、この通達があったからだ。しかし、そのために「まともな経営努力」をしてこなかったとの指摘もあった。
今の12球団は、この国税庁通達を「どう活用しているか」で4つのグループに分かれる。
1.国税庁通達を今も完全に活用している球団 1
・読売ジャイアンツ
株式会社読売巨人軍は、企業ではあるが営業部門や広報部門を持っていない。そうした機能は読売新聞社が代行している。だから巨人への取材申請は読売新聞にすることになる。読売巨人軍は、読売新聞から選手の年俸や運営費などを貰って会社を回している。親会社の完全な「一部門」であり「広告宣伝部隊」と言うことになっている。自分たちが赤字か黒字かで悩むことは基本的にない。

2.国税庁通達を利用しているが、基本的に独立採算と言う球団 9
・オリックス野球クラブ株式会社・福岡ソフトバンクホークス株式会社・株式会社西武ライオンズ・ 株式会社楽天野球団・株式会社千葉ロッテマリーンズ・株式会社北海道日本ハムファイターズ・株式会社ヤクルト球団・株式会社阪神タイガース・株式会社中日ドラゴンズ
これらの球団も赤字になれば親会社から補填を受ける。コロナ禍ではほとんどの球団が、補填を受けて経営を維持したが、基本的には「親会社に迷惑をかけない」ことが前提になっている。端的に言えば「独立採算でやってね」と言うところだ。もちろん、一定の支援金は出しているが、端的に言えば親会社は「メインスポンサー」に近い扱いだ。阪神のように黒字で親会社に貢献しているチームもあるが、ヤクルトのように黒字化が厳しいチームもある。ただ経営陣は親会社からきている人が多い。

3.そもそも親会社がない球団 1
・株式会社広島東洋カープ
市民球団として1950年に設立され、以後、親会社を持たないままやってきた。1967年に東洋工業(今のマツダ)が、メインスポンサーになり「東洋」の名前が入った。いわゆるネーミングライツの先駆けだ。マツダとカープには資本関係はあるが、連結子会社ではないので、カープが赤字になったときにマツダが損失補填することはない。
だから「誰かに頼ることは絶対にできない」。だから無駄な出費はしない。内部留保も多いが、保守的で新しいことはやりたがらない。

4.球団がグループの「事業主体」である球団 1
・株式会社横浜DeNAベイスターズ
ベイスターズはDeNAグループの連結子会社で、損失補填を受けたことがあるが、ベイスターズを核としてバスケットボールやスポーツクラブ、陸上チームなどからなる「DeNAスポーツグループ」を形成している。スポンサーの中にはベイスターズではなく、スポーツグループ全体と契約をしている企業も多い。ベイスターズとスポーツグループの他競技のチームが様々なシナジーを作ってビジネスを展開している。DeNAは親会社としては最も小さいが、ベイスターズは「道楽」ではなく、利益を生む有力子会社になっている。

プロ野球チームは、今後、3,4の方向に移行するのが望ましい。親会社があると、責任感の欠如した天下り役員がチームを牛耳ることが多く、進化しないからだ。
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職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について
と言う通達だ。これによって、プロ野球球団の親会社が球団に出した「当該事業年度において生じた欠損金」の穴埋めは「広告宣伝費の性質を有するもの」とされ、税制上の優遇策を受けることができるようになった。
プロ野球チームが赤字になっても存続できたのは、この通達があったからだ。しかし、そのために「まともな経営努力」をしてこなかったとの指摘もあった。
今の12球団は、この国税庁通達を「どう活用しているか」で4つのグループに分かれる。
1.国税庁通達を今も完全に活用している球団 1
・読売ジャイアンツ
株式会社読売巨人軍は、企業ではあるが営業部門や広報部門を持っていない。そうした機能は読売新聞社が代行している。だから巨人への取材申請は読売新聞にすることになる。読売巨人軍は、読売新聞から選手の年俸や運営費などを貰って会社を回している。親会社の完全な「一部門」であり「広告宣伝部隊」と言うことになっている。自分たちが赤字か黒字かで悩むことは基本的にない。

2.国税庁通達を利用しているが、基本的に独立採算と言う球団 9
・オリックス野球クラブ株式会社・福岡ソフトバンクホークス株式会社・株式会社西武ライオンズ・ 株式会社楽天野球団・株式会社千葉ロッテマリーンズ・株式会社北海道日本ハムファイターズ・株式会社ヤクルト球団・株式会社阪神タイガース・株式会社中日ドラゴンズ
これらの球団も赤字になれば親会社から補填を受ける。コロナ禍ではほとんどの球団が、補填を受けて経営を維持したが、基本的には「親会社に迷惑をかけない」ことが前提になっている。端的に言えば「独立採算でやってね」と言うところだ。もちろん、一定の支援金は出しているが、端的に言えば親会社は「メインスポンサー」に近い扱いだ。阪神のように黒字で親会社に貢献しているチームもあるが、ヤクルトのように黒字化が厳しいチームもある。ただ経営陣は親会社からきている人が多い。

3.そもそも親会社がない球団 1
・株式会社広島東洋カープ
市民球団として1950年に設立され、以後、親会社を持たないままやってきた。1967年に東洋工業(今のマツダ)が、メインスポンサーになり「東洋」の名前が入った。いわゆるネーミングライツの先駆けだ。マツダとカープには資本関係はあるが、連結子会社ではないので、カープが赤字になったときにマツダが損失補填することはない。
だから「誰かに頼ることは絶対にできない」。だから無駄な出費はしない。内部留保も多いが、保守的で新しいことはやりたがらない。

4.球団がグループの「事業主体」である球団 1
・株式会社横浜DeNAベイスターズ
ベイスターズはDeNAグループの連結子会社で、損失補填を受けたことがあるが、ベイスターズを核としてバスケットボールやスポーツクラブ、陸上チームなどからなる「DeNAスポーツグループ」を形成している。スポンサーの中にはベイスターズではなく、スポーツグループ全体と契約をしている企業も多い。ベイスターズとスポーツグループの他競技のチームが様々なシナジーを作ってビジネスを展開している。DeNAは親会社としては最も小さいが、ベイスターズは「道楽」ではなく、利益を生む有力子会社になっている。

プロ野球チームは、今後、3,4の方向に移行するのが望ましい。親会社があると、責任感の欠如した天下り役員がチームを牛耳ることが多く、進化しないからだ。
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コメント
コメント一覧
年商だけなら6基幹社のうち読売新聞西部本社、よみうりランド、中央公論新社を上回るもしくは同等。
広報部とかは読売新聞が対応しています。
仮に関連会社に一部業務委託してもよくあることとは思いますけどね。読売新聞東京本社は読売巨人軍の親会社でなか兄弟会社ですけど。
年間売上300億円近く200人以上の従業員抱えるグループ外部から招かれた社長が「赤字でも気にしない」と考えてるのなら逆に尊敬できますね。
プロ野球の「広報」には「現場広報」と「企業広報」の2種類があります。選手に密着する現場広報は、読売巨人軍の社員である可能性はありますが、企業広報は巨人軍には存在しません。
株式会社読売巨人軍の売り上げは、ほぼすべてが「読売新聞社からの業務委託料」になっています。なので巨人軍には実質的に「営業」「経営」が存在しません。
私は前社長の久保博さんと面識がありますが、新聞記者上がりの彼が気にしていたのは球団運営であって、経営ではありませんでした。
実は巨人のこの変わった企業体制は、非公表だったのですが、東洋経済オンラインにコラムを書いているライターの伊藤歩さんが、取材し
「ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる」と言う本にしたことで、明らかになりました。
伊東さんご本人から聞きましたが、巨人を出禁になったようです。
現在の社長は日本テレビ放送網から出身の今村司氏ですね。読売新聞グループ以外からでは初。読売グループてはあるけど読売巨人軍の株式は一株も日本テレビホールディングスは持っていなく、所謂サラリーマンの順送り人事とは違うでしょう。そんなに気楽に赤字でもいいやと思えるものなのでしょうかね。
興行権買い取りと言うプロ野球球団の運営形態は20世紀までごくありふれたものかと。ただ巨人と他の球団が異なるのは、赤字補てん目的のパ・リーグほかの球団と、税金対策の巨人と。広尾さんは詳しいでしょうが2002年まで存在した株式会社よみうり(1992年まで読売興行)。
広尾さんは優秀な経営コンサルタントをされていたそうですが、それ故に企業のガバナンス形態には厳しい目を持たれるのかもしれませんが、広報部の形式だけで年商216億円(2022年度)、従業員213人(2023年6月)企業にダメ出しできる人はなかなかいないような。読売新聞西部本社、よみうりランド、中央公論新社も同等もしくはそれ以下の規模ですが、そのような評価をなされるのだしょうか?もちろん事業規模がいくら大きくてもビックモーターのような会社はあるのですけど。
別に読売巨人軍をディスっているわけではない。
あなたが巨人軍の体制をそこまで擁護する理由がわかりません。読売グループの社員でも、こんな身びいきはしないと思います。
それから私はコンサルはしたことはありませんが、おっしゃっておられることは、きわめて不正確だと思います。
それから年商200億はどこにでもある中小企業のスケールです。
特に、スポーツ・ヘルスケア・メディカル部門は、ゲーム部門に頼る構造が続いている。
広尾さんも書かれているように、親会社としては極端に小さいため、スポーツ事業をどこまで支えられるのか、先行きをどう見ているのかが気になりました。
現在の観客動員数で黒字化できないとなると、伸びしろはそれほど無さそうなのですが、数字に出ない要素で、フロントや現場レベルでは今後に明るい見通しがあるのでしょうか?
今年春に、DeNAスポーツ部門のメディア向けプレゼンテーションがあり、私も参加しました。この部門は、入場料収入に依存しているのではなく、物販や動画配信などでのビジネスも広く展開しています。バスケの選手はいわゆる「ショート動画」で人気を博していますが、そのノウハウをベイスターズも取り入れつつあります。またストリートファッションのアイテムも増強しています。
さらに神奈川県内の「スポーツ教室」「ダンス教室」も増加しつつあり、そうれらも含めたトータルな展開で収益を出していくようです。