日本高野連の関係者は心底そう思っているだろう。未曾有と言われた猛暑で行われた甲子園だったが「無事」閉幕したのだ。
慶應高校の107年ぶりの優勝という「サプライズ」もあって、高校野球はポジティブな評判に包まれた。
しかも慶應をはじめ「長髪」「自由な校風」の学校が躍進したから「高校野球は改革が進んでいる」というイメージもついた。

しかし為政者たる日本高野連は「糊塗策」しかしていない。夏の甲子園で「人が死なないように」するためにクーリングタイムを設けたり、給水タイムを適宜とったりしたが、多くの識者が提言したような「ドーム球場など会場の移転」も「時間帯の変更」も「シーズンの変更」もしなかったし、検討もしていない。

結果的に日本高野連が守りたかったのは「酷暑の中で、タイトなスケジュールで行われる夏の甲子園」のイベントだったということが、浮き彫りになった。
メディアの中には「日本高野連はできるだけのことをした」との評価もあるが、その前に付くのは「夏の甲子園の大会を変更しないために」という言葉だ。選手や観客の健康よりも、たかだか100年の「甲子園の伝統」を重んじたわけだ。

変わることができない年寄り高野連を横目で見ながら、進んでいる高校はどんどん変化している。端的に言えば今年の高校の「球数」は、「7日間500球」の「球数制限」をはるかに下回っている。進んでいる指導者は、日本高野連の決定など、鼻で笑っているのだ。

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一方で今になって「甲子園に出て生徒を集めたい」と考える二番手、三番手高校。東海大菅生や大阪偕星学園などはいまだに「選手をどつきまわし、牛馬のように脅して」野球をさせている。この手の学校も残っているのだ。

問題は甲子園に縁がないレベルの高校だ。練習の週に1~2回程度。暑さ対策もできず、人数もぎりぎりみたいな高校でも地方大会に出てくるのだ。

ほとんどの地方球場は甲子園のようにベンチに冷房が入っていない。過酷な環境で、あまり暑さになれていない選手たちが野球をする。リスクは甲子園球児よりもはるかに高いのだ。

今年の夏は「異常な暑さ」だと言われるが、地球温暖化は進行しているから「これが平年並み」になる時代が間もなく来る。状況はさらに悪くなる。
今年は「たまたま誰も熱中症で死ななかった」が、来年以降もそうだと断言できる材料は何もない。

「面倒だから、俺がいる間は何も変えたくない」という老人が、高校野球、日本野球の未来を握っているという「現実」に暗澹とするばかりだ。


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先発全員奪三振達成投手/1994~2023